2024年12月23日( 月 )

ド派手なセレブ生活は続くのか(4)

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天然石アクセサリー販売で急成長を遂げた(株)ストーンマーケット(本社:福岡市中央区、中村泰二郎社長)。いろいろな商業施設で店舗を目にした人も多いだろう。中村社長のド派手なセレブ生活も有名だが、徐々に業績に陰りが見え始めている。話題には事欠かない同社の現状を検証してみよう。

<高い収益性に異変、採算性の低下が顕著に>
 次いで、ストーンマーケットの仕入れ部門的な存在である(有)ナカムラインターナショナルの業績推移を見てみよう。こちらはストーンマーケットに反して、2011年まで赤字基調だったが12年6月期に黒字転換を果たした。売上高は11年から13年まで20億円程度で横ばい推移していたが、14年6月期では売上高が17億円台に落ち込み、再び赤字転落した。
 実質的にはストーンマーケットへの販売のみが事業内容であり、同社の業績低下の煽りを受けたようだ。このため、営業損益段階から赤字となっている。ストーンマーケットも採算性の悪化が進み、ナカムラインターナショナルも採算性が悪化するという状態は、今までになかった状態だ。過去のナカムラインターナショナルの赤字の時期は、その間のストーンマーケットが好調な業績を残していることから、実際は黒字にすることも可能だったはずだ。その意味で、ナカムラインターナショナルの14年の赤字は、過去の赤字と意味合いが異なると見るべきだろう。ストーンマーケットの業績悪化が、ナカムラインターナショナルの業績悪化に直結していると考えられる。ストーンマーケットのビジネススキームの最大の特徴は、その高い収益性にあったのだが、異変が起きていることは間違いないようだ。
 アベノミクスは高級宝飾品の売上高を押し上げているが、同社のようなミドルクラスのアクセサリーには、必ずしも追い風になっていない。円安基調はコスト増加の要因にもなる。ただ業界関係者によれば、そうした景気や経済動向よりも、材料となる石の相場形成が進んだ影響が大きいと言う。「天然石のアクセサリーが出始めた時期は、仕入れる石の価格も本当に安かった。ところがアクセサリーとして認知され販売市場が出来上がったことで、石の価格も徐々に値上がりし相場形成されていった」という。以前のように安価で原料を調達できなくなってきた、ということだ。
 業績の低下は企業の財務面に影響を与える。ストーンマーケットは、そのイメージ(社長のセレブ感)から借入金は少ないと思われがちだが、実際はそうでもない。店舗の積極的な拡大に合わせる形で借入金も増加傾向が続いてきた。


(つづく)
【特別取材班】

 
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