新たな日本国の時代に向かって「捨て石」になる覚悟(後)
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福岡県議会副議長 原竹 岩海 氏
2015年5月15日、福岡県議会で臨時議会が行われ、原竹岩海(はらたけ・いわみ)氏(筑紫野市選出)が第77代福岡県議会副議長に就任した。副議長としての抱負や県政の課題など、さまざまなテーマについて話を聞いた。
――将来の日本の国の在り方について、“捨て石”になる覚悟とのことですが、具体的にはどのような活動をされるのですか。原竹 蔵内勇夫県議が会長をしている「九州の自立を考える会」があります。
同会では、「これからの広域行政時代には九州が一丸となった取り組みを深めていくことが肝要で、災害、テロ等に対する危機管理システムや、観光振興戦略、あるいは環太平洋経済連携協定(TPP)への対応等、九州が1つの目標を立て、それに向かって各県が努力をしていくことが必要です。また、そのための体制づくりをしなければならない。そういったことを本会で大きく推進し、地方分権をさらに深め、強化した地方主権を求めていきたいと考えています」――との趣旨のもと、道州制とはちょっと違うが、福岡県会議員のほとんどの方が自ら年会費を出し合って勉強会をし、講師を呼んで関係者や周辺の首長さんたちも会費を払ってメンバーになっておられる。佐賀県議会とか大分県議会も、しっかり参画されている。
あとは、長崎・宮崎・熊本・鹿児島にしっかり声をかけていく友好関係を持っているから、あらゆるところで福岡県議会は、県議もそうですが、将来の日本の変化に向けて動き始めています。――福岡県がメインとなって九州全体を巻き込んでいく、具体的な事例は?
原竹 今、福岡県と福岡市・北九州市の両政令市の関係で、1つの事例ですが「福岡空港」「北九州空港」「こども病院のアイランドシティ」の両方に高速道路を直接乗り入れができるように調整中です。そして、福岡空港と北九州空港がリンクするように、リムジンバスを走らせます。北九州空港は24時間ですので、バスに乗れば短時間で福岡に来ることができるようになる。将来に向けて現実的な政策をどんどん実行しています。
今まではみんなが「北九州市がすること」とか「福岡市がすること」とか自分のことだけを考えていたが、だんだんそう言えなくなってきて、しっかりまとまらなければ機能しなくなってきた。“3本の矢”になれば、すばらしいまちづくりができる。
農産物のブランド化についても、ブランド化はいいが、「福岡」という名前がヨーロッパはもとよりアジアでも知名度がない。農産物は品質・安全性ともに立派だけど、知名度がないから売れない。これをオール九州「メイドイン九州」にする。九州ブランドとして統一のロゴマークをしっかり決めて、売り出す。九州内で産するものをすべて「メイドイン九州」の統一ブランドで海外に持って行けば、かなりのインパクトがあり、統一マークができるようにすでに動いています。――少子高齢化について、福岡県下でも高齢化率の高い地域もありますが、どのように臨まれますか。
原竹 少子高齢化の問題は、年金問題から空き家の問題、限界集落の問題など、全部抱えている社会的現象です。少子高齢化は、何十年も前からわかっていたことです。しかし、予想以上のスピードで進んでいることに問題があります。
福岡県は、麻生知事の時代から、男性・女性ともに70歳現役社会を実行しています。これは、当時の麻生知事が日本で最初に掲げて実施しました。現在では、九州知事会のテーマにもなっており、全九州での取り組みに発展しています。これは、現在の労働人口では生産性の減少につながるとの背景があります。日本の生産性の減少になってはいけない、労働人口が足らない――そのため、男女共同参画社会も法律で確立された。しかし、これだけでは追いつかないので、福岡県は男性でも女性でも70歳現役でしっかり頑張っていこうと推進しています。
今の60代~70代は、昔のおじいちゃんといったイメージではない。昔は定年後も働いていたら、「年金だけでは飯が食えないから働いているのだろう」と言われていた。しかし、今の高齢者は、現役そのものです。「誇りとプライド」「老人パワーのやる気と元気」がある。素晴らしい経験と能力を、70歳になっても80歳になっても、本人がもういいやと思えるまで頑張れるような社会を構築すれば、生産性は落ちない。それでも生産性が落ちてくるようになったら、今度は外国人の活用を考えないといけなくなります。――最後に、副議長としての抱負をお尋ねします。
原竹 今回、図らずも副議長に就任させていただきました。多くの議員から「原竹岩海」と書いていただき、本当に感謝申し上げております。ありがとうございました。皆さまの期待に応えられるよう、福岡県政の発展のために、一生懸命頑張っていきたいと思います。
とくに、党派を超えて福岡県会議員が一丸となった体制で福岡県行政と両輪となって、県民の幸せのために、住民福祉の向上のために、県政の発展のために一生懸命頑張ってまいる決意です。
(了)
【吉武 輝実】<プロフィール>
原竹 岩海(はらたけ・いわみ)
1953年7月24日生まれ、東福岡高校を経て、久留米大学商学部卒業。福岡県議会議員秘書。91年、筑紫野市議会議員選挙で初当選。市議を3期務める。2003年、福岡県議会議員選挙で初当選。現在は4期目。民主党・県政クラブ県議団に所属。水資源対策調査特別委員会委員長や厚生労働環境常任委員会委員長を歴任。15年、福岡県議会副議長に就任。関連キーワード
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