2024年12月23日( 月 )

MERS拡大で、マスク姿に不信感!?

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

cckorea MERS(中東呼吸器症候群)コロナウイルス感染拡大により、韓国国内では、思わぬ人間関係の軋轢が生まれているという。韓国では元来、日本ほど「マスクをする」という風習がなく、予防目的でマスクをつけていると、逆に周囲から「感染しているのか?」と避けられる傾向にあるという。

 日本ではMERSに関する報道の量がかなり多いが、韓国ではマスク着用は「職場の雰囲気によってそれぞれ」だという。職場によっては、「マスクをつけて出勤するくらいなら、陽性の可能性があるんだろうから、はじめから欠勤しろ」という声すらあるそうだ。収束が見えない中で、ただ「マスクをするだけで解決するとは思えない」といったような空気もあるという。

 韓国人事情通は「私のソウルの友人は『ニュース報道』を見てマスクを着用し通勤したところ、職場の周囲には誰もマスクをしている人がおらず『自分だけ助かりたいのか?』と、冗談ともイヤミとも取れるような言葉を浴びせられ、ショックを受けていた。一歩間違えば『非国民』呼ばわりの中で、なかなか感染拡大を防げないのは『マスクを付けることによる違和感』が韓国人の中にあるからではないか」と分析している。

 そのうち収束すると見られていたMERSは、収束の見込みがないことから公共交通機関などは「マスクをつける人」というより、通行人そのものが減少しているという。中国・上海国際映画祭への韓国人俳優の出演が中止され、パククネ大統領の訪米もキャンセルとなった。前述の韓国人事情通は「デパート、アウトレットなどではMERS発生以降、売上げが激減、街中のカフェでは客が1割から2割ほどになってしまった。裸になるような場所は感染のイメージが強いのか、健康ランドや岩盤浴はほとんど客がおらず、韓国人の趣味の一つと言われる『登山』の客も大幅に減っている。アメリカや中国等でも『韓国人は感染源だ』などと陰口を叩かれる例も発生している。政府の保健福祉部は、メディアや病院への張り紙等で告知をしているが、国民の中には『いつになったら収まるのか?』と苛立ちの声が蔓延している」と話している。

【杉本 尚丈】

 

関連キーワード

関連記事