福岡地区生コン協組、「サカヒラさんをトップに」(3)
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自他共に飯塚市の名士として認知される(株)サカヒラ。本社の飯塚市を拠点に、福岡都市圏および北部九州に営業網を有する。
とくに生コン製造販売においては、アウトサイダーの雄として、福岡地区の市場に絶大な影響力を持っており、福岡のみならず九州地方の生コン業界で、事実上トップクラスの地位を誇る。
福岡地区生コンクリート協同組合内の出荷量は、直近で年間約130万㎥である。その20~25%の量を同社が出荷している。30社、40工場の同組合全体のなかで、1社でその20%にあたる130万㎥の出荷量は、非常に大きい。そして同社の強さは、盤石な財務体質にある。無借金経営であると同時に、保有する現預金は年商に匹敵するものである。同社の売上高は、近年は50億円台後半から60億円台で推移。手元流動性比率は約9~12カ月を推移している。経済の専門家やアナリストの見解を総括すると「東証一部の企業で、1カ月分の手元流動性、ジャスダック上場で1.2~1.5カ月」とされ、同社の手元流動性の高さが理解できる。
一方で、妬みや嫌味半分で「そんなに現預金を持ってどうするのだろうか」という地元中小企業の経営者の談もある。誰にでもできることではない芸当なので、羨ましいのであろう。強固な営業力による顧客からの高い信頼度、強靭な財務体質と同業他社で太刀打ちできる企業は、皆無に近いだろう。同社は、長年にわたり幾度も同組合への加入の打診を受け続けている。2011年には、福岡・飯塚地区両協組の広域化の一環として、同社と福岡地区協組側との交渉が活発化。だが、組合への加入が有力視されながらも、双方の条件や言い分が平行線で、協議は進展せず同社の組合への加入は実現しなかった。
その後も水面下で双方の協議が断続的に実施されていたが、組合内でのシェア、販売価格などの諸条件で、折り合いがつかなかった。それでも「忠一会長が、一歩も引かない状況から、少し受け入れる姿勢も見られてきた」(生コン業界関係者)と、同社の姿勢が強硬から融和的なものへと変化が感じられているという。「建築における飯塚での仕事量が減少傾向にあり、その影響はサカヒラさんも受けている。そして昨年(14年)の10月に、ご子息の隆司氏へ社長職を継がせた。今後の事業展開の地ならしのために、組合の加入を慎重に検討しているのではないか」(前出業界関係者)とする。
しかし、忠一会長が経営の一線から退くということではない。むしろその逆で、より経営への意欲が高まっているようだ。もちろん隆司氏に任せる仕事もあるだろうが、忠一会長あってのサカヒラである。
「今まで以上に心身とも充実されており、変わらぬ営業手腕を発揮し続けるだろう」(前出業界関係者)と進化を続けている。(つづく)
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