要は気概だ!!
筆者はデベロッパーの若い経営者に謝りのTELをした。 「パラマウント事業が久山町に進出するのが不可能になった。どうもアイランドシティに雲行きがチェンジしたようだ」 と伝えた。 「良いですよ!!パラマウント事業が進出予定の50万坪ぐらい、我が社で時間をかけて開発しても良い」 と豪語した。 経営者にとって自立できる最大の資質の重要資産はこの気概だ!!頼もしい経営者である。 |
◆ 10年、堅実な歩み
この元気な経営者は(株)アイランド(本社・中央区)の亀頭隆行氏である。この人には度々、
「パラマウント事業が久山にくればお宅の事業にもプラスメリットがありますよ!!」
と激励してきた。
というのは行き詰った久山カントリークラブが所有していた隣接地に当社が購入して戸建て分譲を展開していた。この土地には久山カントリークラブの社長であった行徳氏が趣味で芍薬(しゃくやく)畑を開墾していたが、評判で見学者がひしめいていた。やむを得ない資金繰り上の都合で手放したのだ。
芍薬畑で有名なこの場所を亀頭社長は『風月原』と銘打って100戸近い分譲事業を始めたのである。アイランドとしては初めての大型団地分譲のビジネスであるから、多少、老婆心ながら激励の意味で
「パラマウント事業の誘致がくれば環境が良くなりますよ!!」
と耳打ちを続けていたのだ。
そして謝りのTELをした時に
「これだけお世話になった久山町には微力ながらも単独でもこの街の発展に貢献する」
と頼もしい返事があったことに感動もしたし意外感も抱いた。「事業で鍛えられ逞しくなったのだ」と舌を巻いた。
亀頭氏はリクルートコスモスを退社してアイランドを設立した。同僚たちと事業を起こした時点ではどこかに「事業がやれるだろうか」という危うさを感じさせられた。若気の至りで大言壮語を吐くことは珍しくない。ところが同氏は一言一言、言葉を選びつつもの静かに決意を語ってくれたことが印象に残っている。
10年の堅実な経営の歩みの中で亀頭氏は強くそして逞しくなり経営者にとって大切な気概を育成してきたのである。
◆ 久山町は全国、いや世界ブランド
「いやー、日本トレイドの山崎社長の活躍で久山町の名が日本中に、いや世界中に広まりました。世界ブランドですよ」
と亀頭社長は感謝の念を表明する。というのはパラマウント事業が唾をつけようとした50万坪の用地には各方面から問い合わせが殺到しているそうだ。
同氏の話から総合すると3ブロックの区分計画があり
(1) 住宅ゾーン
(2) 製造業のゾーン
(3) 研究所ゾーン
に分類されているそうだ。早くも製薬会社の研究所進出計画が具体化されているとか。
人が集まれば住宅需要は増える。
「久山町の自然環境と共生できる住宅開発・提供が、会社の社会的使命」
というビジネスのタイミングを掴む亀頭社長の経営センスはさすがだ。凡人の100倍の強い気概を持ちつつ、加えて経営者としてのしたたかさも大したものだ。
山崎氏の久山町における活動遺産は捨てたものではない!!
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