サラリーマン社長と創業社長の執念の差 [8]
社長の責任の重さを知る(中・1)
筑紫野署が受理して事件として取り扱うことが決定しておれば、染川氏が恐怖に苛まれて戦線逃亡するのなら多少は理解できる。
だが実際は刑事告発されたのに過ぎない、事件処理には至っていないのだ。それなのに抗議もせずして人生の最頂点と思い頑張って社長のポストを得た染川氏が、あっさりと辞任するのは理解不能であった。
『性格的に大人しく気が弱いからだとしても何か裏がありそうだ』
と考えるのが当然である。
◆ 奇々怪々の失念
染川氏は作州商事を平成16年4月に退職した。
資料2にある通りに退職した2年後、18年6月に退職金支給と作州商事の子会社宝州興産の出資株100万の返還を求める行動に乗り出したのだ。
2年を経過して行動するのもおかしな話だが、この出資金が退職時の16年4月に城戸辰則オーナーが買い取っていたことを染川氏は失念していたのだ。
2年前のことを忘却して請求する(喧嘩を売る)のには驚く。慎重な用意周到な正確の人と思われていた染川氏にとってこの軽率さが今後の人生の命運を決定した(会社社長の辞任という不本意な選択)。
作州商事株式会社 危機管理室 田中昭浩様 拝啓 向夏の候、貴社益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。 宝州興産の株の件につきましてお問合わせをいたしましたが、ご返事ありがとうございました。株式の所有については定款を見れば出資者と金額は把握できると思います。公証役場で設立時の定款の謄本を受領して来ましたので写しをお送りします。ご確認下さい。 設立以降、私は株式の譲渡はしていませんので、現在私は宝州興産の株主になっているはずです。誰かが意図を持って勝手に株の譲渡をしたかは分りません。株主名簿、株主譲渡契約書等で株式の実態を把握しておく必要があると思います。現状不明ということにつきましては理解できません。勝手に譲渡がされていれば横領であり刑事事件になる可能性もあります。大至急ご確認いただき対処ください。 また、私の退職金のことで御一考いただければと思い、あえて申し上げます。波多江 さんから伺ったことですが、私が退職後、退職金を出すかどうかで協議されたそうです。 樺島現社長、久留常務、波多江さんは会社への貢献度をみて出すべきだと主張していただいそうですが城戸前社長と相澤君が反対されたそうです。再度の協議で城戸前社長が染川には退職金は払いたくないと強硬に言われた為、やむなく押し切られたとのことでした。今後の役員の皆様の為にも感情で処理されないようなシステムを明確にして置かれた方が良いとおもいます。樺島社長にもご進言いただき退職金支給について再考いただければ幸甚です。 私は田中様とは面識はありませんが、危機管理室の責任者として重責を担っていらっしゃると思います。田中様のこれまでのご経験と手腕で現状を乗り越えていただければと願っております。私が声をかけて宝州グループに来た社員はまだ8名ほど頑張っています。よろしくご指摘賜わりますようにお願い申し上げます。 これから本格的な暑さに向かいます。お身体ご自愛ください。 敬具 |
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