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コダマの核心

経営者は自分で決断し実行するシリーズ (17)
コダマの核心
2007年10月31日 10:21

サラリーマン社長と創業社長の執念の差 [10]
社長の責任の重さを知る(後)


◆ 経営者になる条件の資質は運力

 染川氏は二番手、三番手としては有能さを発揮する。またまた本人は「自分がトップの器でない」ということは自覚していた。

 作州商事を退社後、二番手として職を転々としてきた。「年も年だから雇われの身ではいけない」と決断をしたこと自身は間違っていないと思う。

 ところがだ。信じられない人生の最悪のチョンボを犯した。前述した自己批判の文書の件だ。同氏を知っている誰もが異口同音に
「2年前の株資金を返済されていた事実を忘却していたなんって信じられない」
 と語る。

「ここ一番の勝負で予期もしない完敗をするようでは前途は多難である。城戸さんの運力の1万分の1もない我が身は社長になる器でない」
 と悟るべきであった。

 昨年9月に城戸氏に侘びを入れていることを筆者自身は皆目、知らなかった。昨年10月染川氏が「会社を設立する」と相談に来た。「それは目出度し、目出度し。お祝いをしようや」と喜んだ。しかし記述してきた事実を耳にしていたら「貴方には会社を起こす資格がない」と諌めストップさせていた。

 まず城戸氏の怒りの心中をまるで知ろうとしない我が中心主義に危惧の念を抱いた。自分の立場でも同じだ。「俺に侘びを入れておいて一方では会社をシャーシャーと設立準備をしておいて」と気分を害する。同氏は意外と二番手、三番手の時期は仕事柄、気配りに長けているのだが、自分には大甘ちゃん。


◆ 経営者には災難をすべて被る宿命の存在

 二番手、三番手として企業のリスク対策を講じる。仮にリスクヘッジィに失敗して難題が会社に降りかかってくる。二番手、三番手として災いの打ち消しに奔走するが、最後は経営者がすべて背負うことになる。

 修羅場を目にすることがあっても自分が被るわけではないから対岸の火事で幾多も経験をしてきた。だから始末が悪い。他人事で終始できる壷を心得ている。我が身に降りかかることがないので物事の判断が自然と甘くなる。
 染川氏として「侘びを入れたから物事が済んだ」と自己都合の解釈をした。

 「社長になって詫び状がどういう波及をするか、波及した場合はすべて覚悟して対応する」ことに対して腹を括っておれば支障はないのだが、染川氏には所詮、無理だった。

 資料1の反響があまりにも大きすぎた。二番手、三番手として銀行交渉してきた同氏にとって行員から絶大な信用を得てきた。銀行対策に自信あったはずの金融機関から
「揉め事のある会社には解決できるまで取引、新規融資は見合わせます。勿論、経営者個人にも法的訴訟類の問題を抱えていたら同じ処置をすることになっています」
 と通告を受けて染川氏は顔面蒼白になったに違いない。

 「社長になったのは間違いだった」と一瞬、後悔をした。対岸の火事を眺めてきたので「経営者とは災難をすべて被る宿命の存在」という定理をこれまた忘却していたのだ。
 染川氏の脳裏には「早く早く社長のポストから逃げよう、逃げよう」の一心で満タンにされていたのである。


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