2005年3月、旧柳川市と三橋町・大和町が合併して誕生した新柳川市(石田宝蔵市長)。「水郷・柳川」として年間100万人以上の観光客が訪れる福岡県南の有数の観光地である。
いま、この柳川市で石田市長にまつわる様々な疑惑が浮上し、石田市長と市議との対立がますます鮮明になってきている。市の職員や市民の中からも、石田市長の政治姿勢や行政手腕への疑問や追及の声が高まりつつある。
石田市長をめぐる「疑惑」は今のところ次のようなことが浮かび上がっている。
(1) ピアス株式会社の工場跡地買収金額が不当に高いこと。さらに工場の建物にアスベストが使用されていることが明らかになったにもかかわらず、ピアス社はその事実を隠ぺいし、市長自身も明確な責任を示していないこと。
(2) いわゆる漁業団地が本当に事業として必要かどうか。土地の買い上げ自体が目的ではなかったのか。
(3) 全日本同和会大和支部への補助金支出を別の名目で行っていた問題。
(4) 柳川市営駐車場整備での所有者への便宜ではないか。
…等々である。
石田市長は、合併直後の市長選で大方の予想を覆し当選を果たした。石田氏は合併前までは旧大和町の町長で、有権者の数からいっても旧柳川市出身の候補者には勝たないだろうとの前評判であった。
石田氏の勝利の要因は「マニフェスト選挙」であったと言われており、「改革派」というイメージが多くの有権者に受け入れられたとも言われている。石田市長は、「疑惑や不正、不祥事のない政治」をマニフェストで掲げ、「清潔で公平、公正な政治、わかりやすい政治、信頼と合意の政治」などをうたっている。
そこで、われわれは前述した多くの「疑惑」について、いわゆる石田マニフェストを検証する、という立場で問題点を明らかにしていくことにしたい。
あわせて、選挙や金の問題に監視を強め、公正で透明な行政を実現していくためには市民と議会の厳しいチェックが求められてもいる。
そうした点についても今後レポートを連載していくことにしたい。
(つづく)
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