平成17年4月の市長選で石田氏が新市長に当選以来、石田市長を支持する市議会会派「柳志会」と反対する「新生会」(現在は解散)との対立が明らかになり、様々な問題をめぐって深まっていったことは周知のことである。
こうした経緯が市政の混乱を今まで引きずっているひとつの要因であることは確かである。
さて、合併特例法に基づく議員の在任特例期間がおわり、平成18年10月1日に新柳川市の市議選(定員30名)が行われた。新議員で構成する柳川市議会でも以前よりも激しい対立が鮮明になった。
石田市長の政治姿勢や議案をめぐる議論と対立が改めて市民の目にも焼き付けられてきている。
こうした経過をたどる中で、平成19年6月の定例議会で全日本同和会大和支部への補助金支出問題の一端が矢ヶ部議員によって明らかにされた。
矢ヶ部議員 大和支部の所在地と支部長はどうなっているのか。
大和庁舎長 個人名を答弁することは、差別問題に発展する恐れがございますので、答弁は差し控えさせて頂きます。
矢ヶ部議員 補助金支給の開始はいつからか。
大和庁舎長 文書管理規定による文書保存期限は、補助金に関する重要なもので5年、その他は3年である。この保存期間を超えたものは保存されていません。
(中略)
平成19年4月から事務に携わっているので以前のことは、存じません。
矢ヶ部議員 補助金支給開始の申請文書は、どうなっているのか。
大和庁舎長 保存年限が切れたものについては、確認しておりません。
矢ヶ部議員 補助金支給開始から今までの、各事業の予算、決算書はどうなっているのか。
大和庁舎長 平成14年度以降の全日本同和会南筑後協議会大和支部に対する予算並びに事業計画と、補助事業実績報告書は提出を頂いています。
この大和庁舎長の答弁に対して矢ヶ部議員は、「平成19年4月からの担当だから知らない」というのは問題である、また個人名について平成17年6月議会では「○○支部長…」と答弁しているのに今は答えられないというのは、公平公正な答弁ではない、と再質問をしている。
議会でのやりとりに業を煮やした矢ヶ部議員は、7月2日の情報部分公開決定通知書交付を受け、全日本同和会大和支部への補助金支出に関する事実を知ることになった。
これが1ラウンドであり、2ラウンドの9月議会に舞台は移った。
(つづく)
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