池浦順文 福津市長は説明責任を果たすべき!
◆ 政治資金のデタラメ管理に公選法・規正法違反の疑い 寄せられる批判の声
本社報道で明らかとなった池浦順文福津市長のでたらめな政治資金管理の実態に、真相究明を求める声が、多数寄せられている。
池浦市長の独断ぶりを指摘する読者もあり、今後、別の問題が浮上する可能性も出てきた。
池浦市政の検証は稿を改めるが、今回の政治資金の問題についてもう一度おさらいしておきたい。
昨年当選した吉田宏福岡市長陣営の、選挙カー公費助成不正請求事件を教訓に、本誌取材班は、福岡都市圏全ての首長選挙について、検証を進めていた。もちろん、他の自治体の選挙についても報じてきたのだが、福津市長選挙における池浦順文市長の「選挙運動費用収支報告書」はかつて無いほどのお粗末な内容だった。
本来、候補者本人か選挙事務所宛てであるはずの領収書が(○○様、○○選挙事務所様、○○事務所様などと記されるが、基本的には候補者本人宛であるべきとされる)、ほとんど後援会宛となっていたのである。
領収書の日付には、明らかに選挙の告示前のものが多い。その中には、事前運動を疑わせるものもある。取材してみると、案の定、後援会活動として行われた告示前の公民館利用料などが選挙運動費用として計上されていた。
取材班は池浦市長の選挙運動費用収支報告書の問題点を、福津市選挙管理委員会に指摘し説明を求めた。その数は、最初から数十箇所に及んでいたことを明記しておきたい。
福津市選管は当初、池浦市長側から
「選挙の事前準備の支出との説明を受けたので、問題は無い」
としていたが、取材班が重ねて、取材結果を説明し、事前運動にあたるのではないかと切り返すと、後に3箇所の訂正があったことを認めるに至る。公民館等での集会の利用料である。
さらに、これでは修正不十分であることを追求すると、しぶしぶ再調査に応じ、最終的に40数箇所の修正になってしまったというわけなのだ。
この間、選管の動きは極めて鈍かった。また報告書の受領印押し忘れなど、選挙事務の在り方そのものに欠陥があったことも露呈した。
現職市長であろうとも、違法は違法だ。逃げ腰にならずにしっかりと調査するべきである。福津市選管には猛省を促したい。
さて、選挙運動費用を修正したものの、今度は後援会活動の収入と支出との整合性が取れなくなってしまった。7,000円ほどの金しかないのに、数十万円の支払いができるわけが無いのだが、目先の選挙運動費用ばかりに気を取られたのか、お粗末な会計処理である。
池浦順文後援会が現住所に存在しないことや、出納責任者が福津市と利害関係を有することなど、不可思議から「疑惑」へと展開しつつあるのは残念と言うほかない。
何よりも、つじつまの合わない金の流れについて、池浦市長の出納責任者であり、後援会の会計責任者が取材に応じようとしないのである。
だからこそ、公選法や政治資金規正法上の問題は無いのかも含め、金の流れについて、池浦市長本人の説明責任が問われるのだ。
本社には一連の報道を受けて、解明を求める声はもちろん、池浦市政への批判などが寄せられている。しかし、まずは池浦市長自身の金の問題について、徹底究明がなされなければなるまい。
もちろん、取材班は池浦市政全般について取材を進めている。次稿にご期待いただきたい。
(つづく)
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