理念・思い入れに共鳴者を集めても
　　事業失敗すればただのドンキホーテの烙印が押される

１、アイランドシティにパラマウント事業の誘致を！！ただ郷土愛の為に奔走した日本トレイド山崎和則社長

　博多港開発の昔、社長であった志岐氏の「アイランドシティに目玉を持って来なくては呪われた島になる」という読みは的確だった。目玉として「テーマバークの誘致」が画策された。
この人は福岡市役所の歴史において最高の仕事師、政策立案者という評価を得ていた。だが慢心が防衛庁の守屋前防衛庁事務次官のように『ケヤキ・庭石問題』で失脚された。この段階からパラマウント事業は呪われていた。

　志岐氏は日本トレイドの山崎社長にテーマパーク誘致の要請を行った。１４年前も同氏は山崎氏に同じようなことを要請した。志岐氏が福岡市港湾局長に就任していた時だ。
昭和の終わりから平成２年頃まで百道浜埋立地の売却の目処がつかなかった。
「おーい、山崎君、百道浜のユニバーサルスタジオを持ってきてくれ!!」と頼んだ。

　結果的にはユニバーサルスタジオは大阪に誘致された。またバブル景気もあり目玉には福岡ドームが建設されることになり百道浜の埋め立て用地の売却の山は峠を越えた。

　そして再び志岐氏は山崎氏に命じたのだ。
「尊敬する志岐先輩からの命令ならば命に賭けてでも実現してみせる」と覚悟した。まさしく損得勘定抜きでアメリカ・ＬＡに飛んだ。
「パラマウント事業の誘致をなせればアイランドシティはアジアの注目拠点になる。郷土・福岡にとって莫大なメリットを与えてくれる」
と踏んで活動を開始だしたのだ。

　これだけ福岡を愛する人も珍しい存在である。（これは過去、詳細に触れているから概略だけにする）

２、呪われたアイランドシティのスタート　坊主憎ければ袈裟まで憎し

　パラマウント事業の誘致プロジェクトの企画立案者が志岐氏でなく別の福岡市の役人であれば否定されなかったのかもしれない。仮話でしょうもないが、志岐氏が張本人であったからこそ山崎氏が献身的に奔走したのだ。

　志岐氏の辣腕ぶりには反撥する敵対者もいた。福銀頭取谷氏は当時、博多港開発の負債処理を巡って志岐氏とやり合っていた。志岐・谷両氏の間では度重なる議論のやり取りがあった。このやりとりで二人に間は反目するようになり禍恨だけが残った。『パラマウント事業＝志岐の事業』という定式で恨まれアイランドシティへの誘致は葬り去れてしまったのである。

　当時の広太郎市長が英断でして『パラマウント事業をアイランドシティヘ』を達成していれば局面は一転していた。「アイランドシティは黄金の島」に変容していたのだが、志岐氏が逮捕されてしまったことで八方塞がりになった。坊主（志岐氏）憎ければ袈裟（パラマウント事業）まで憎しの例えの通りパラマウント事業の行先は放浪化した。一方ではアイランドシティは『呪われた島』として徘徊を始めたのである

（つづく)

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