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特別取材

積水ハウスの興亡史 (11) 星野JAPAN |愛する積水シリーズ
特別取材
2007年12月 4日 09:54

 話はそれるが、星野ジャパンはついに韓国、台湾を破り、北京オリンピックに行くことが決まった。

 事実上の出場決定戦と言われている韓国戦は、手に汗握る接戦になった。8回裏1点を取られ、4対3まで追いすがられる。なおも、ツーアウト、ランナー3塁1塁、1打、同点か逆転もありうる。
 星野監督は、投げている中日の抑えのピッチャー岩瀬を代えるつもりはない。日本一に輝いたストッパーだ。お前に任せたぞ!ここは全幅の信頼で、任せたのである。星野監督は、真っ赤な顔しながら、岩瀬に大声で叫んでいる。
 応援団の声でかき消されるので、ジェスチャーで、両腕のコブシを強く握り締め、両腕を振り下ろすように、ガッツポーズをしながら、気迫だ!気迫を出せ!と指示していた。

 部下に全幅の信頼を寄せながら、一瞬のたじろぎを許さない!気迫でぶっつかれ!と檄を飛ばしているのである。これこそ、指揮官の真の姿ではないだろうか。
 嵐の中では、誰もが、船長の顔色を伺うと言う。毅然と指揮する船長の姿を見たとき、船員は、勇んで普段以上の力を出し、嵐の海を乗り切るという。岩瀬以下、全選手が意気に感じ、岩瀬は三振で切り抜けついに勝利したのである。

 試合後の星野監督のインタビューで、選手の目の色が違っていた。皆な一丸となって、勝つんだ!という目をしていた。気合が入っていたと選手を褒め称えていた。根底にあるのは部下への信頼に裏打ちされた、勝負に対する気迫であろう。

 最近の指揮官は会社でも、ただ、売って来い!やる気あるのか、と言うだけ。上司、部下の信頼関係もありようがない、そんな組織では販売戦線で勝利するわけがない。
 先述したように、田鍋が積水ハウスに着任した時、部下を信じ自分も信じてもらい、全員、親会社からの出向を解除し、先行きもわからない子会社に、自分の未来を託して来てもらった。そして、石油危機の時に、今こそシェアアップのチャンスと、一歩間違えば会社の存続も危ういことをやれたのも、NO1になるという気迫と、社長と部下との信頼関係の深さによって、田鍋が夢を語っていたことを実現するため全社員が自発的に、仕事への意欲を持っていたからこそ、現在の積水ハウスがあるのである。

 指揮官が目標をはっきり示し、部下との信頼関係があれば、大きな仕事が出来ることが、星野監督、田鍋社長と共通しているように思える。(文中敬称略)


野口孫子


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