(1)建築業界が忙しかったローコストマンション全盛時代(1996年~)、ゼネコンが現場を抱えすぎて、現場員を手当てできない状況が続いた。そうしたとき、フリーの建築士と契約、現場所長として派遣し、建築していた。
このこと自体は問題ないが、ゼネコンのチェック体制がとれていたかどうかは疑問である。フリーの建築士にはピンからキリまでいる。
(2)バブルの影響を受けていた地元ゼネコンは、銀行の締め付けで建築する運転資金の融資が受けられず、大手ゼネコンに案件を廻し、大手ゼネコンから地元ゼネコンは丸請けしていた。こうしたマンションは数多くあり、施工業者は大手ゼネコンとなっているが、実質は地元ゼネコンというのがいくつもある。
建築した業者がすでに破綻している地元大手ゼネコンなら問題ないが、破綻した中堅以下の場合は、いささか問題となる物件も出てこよう。
最悪のパターンであるが、大手ゼネコンがあまりに建築予算がないことから、下請ゼネコンに丸投げして予算を合わせさせる。
このケースでは、予算がないなか、大手ゼネコンは受注額から10~15%ほど管理費用としてカットして下請ゼネコンに廻す。良質の地元ゼネコンは予算が無いことから当然付き合わず、資金繰り多忙状態の地元ゼネコンが対応していた。大手ゼネコンも巧妙で、現場所長(丸請会社員)に大手ゼネコンの名刺・制服・ヘルメットを使用させ、設計監理会社にも誰にも分からなかった。そうした超低予算で建築された物件が問題となっている。
もちろん、施工は「大手ゼネコン」名義。またそうした地元ゼネコンも破綻している。発注者側に対しても、施工は「大手ゼネコン」となっている。
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