住民監査請求を棄却─
「極めて不適当な支出ではあるが、違法とは言えない」
柳川市監査委員は、石田宝蔵柳川市長が全日本同和会大和支部へ補助金を支出した3660万円の返還を求める住民監査請求を棄却した。
市監査委員は「全日本同和会補助金に対する支出負担行為は、予算措置等において一部適正を欠く事項が見受けられ、極めて不適当であると言わざるをえないが、違法であるとまでは言えない。したがって、措置の必要は認めないため、本件請求は棄却する。」との結論を出した。
☆「石田市長に対する要望・意見」を併せて提出─監査委員
監査委員は同日、石田市長に以下のような要望書を提出した。
(要旨)
1.予算は正確に見積もるとともに議会議員及び市民にとって、理解されやす い内容であることが必要。地方自治法第210号、211号の精神からみて適正を欠くことのないよう可能な限り具体的詳細な記載を求める。
2.補助金は公益上必要な場合と限定しているので、議会での審議が必要であ る。歳入歳出予算事項別明細書に明示しないで議決を得た予算から補助金交付を決定することは、首長の裁量権の範囲を逸脱しかねない越権行為の疑義(可能性)を払拭できないもので、今後はこのような事務処理は厳に慎むべきである。
3.当初から予定されていた同和会への補助金支出を「職員退職手当組合負担金(職員分)」から充用することは極めて妥当性を欠く方法である。
4.予算編成、執行にあたり永年の慣習や安易に踏襲し、問題点の発見、改善が図られていない。今後は継続されてきた事案といえども、不適正な処理と疑義が生じ、認識したときは、協議改善を図る体制を求める。
監査委員の報告、結論はいくつかの問題点や疑問を感じる。併し同時に市長に対する要望書が出され、特にその中で「首長の裁量権の範囲を逸脱しかねない越権行為の疑義」という文言は、市長の透明で公正な行政運営を求めているものだ。
いよいよ5日から12月議会が開かれる。7日には本会議において、「全日本同和会大和支部補助金調査特別委員会」の報告が行われる予定だ。
つづく
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