吉田市長と指定金融機関の関係
◆博多駅再開発を前にJR九州とも急接近
本社は、吉田市長に対し質問書を提出したが、回答を拒否されたことを報じてきた。前述したとおり、質問項目の中には、吉田市長の誕生日(9月18日)に行われた市長夫人同伴での飲食のことも含まれていたのだが、次の事項についても回答を求めていた。
・昨年9月、福岡銀行ラグビー部の酒席に挨拶に行った経緯。
・吉田市長の政治活動、後援団体の政治活動などに指定金融機関である福岡銀行社員が参加していなかったかどうか。
・市長選の投・開票日に、早い時間から福岡銀行地域金融部公務室長ほか数名の社員がいた事実について。
以上の件に関する質問書には、まともなコメントさえいただけなかった。どういう理由で取材拒否なのか、ここで改めてお尋ねしておきたい。
もちろん、市長の私的飲食の相手が利害関係者であったかどうか、その認識があったかどうかくらいは意思表示すべきであろう。
福岡銀行が、吉田市長の後援団体「ふくおかFUNクラブ」の政治資金パーティのパーティ券20万円分を購入していた事実は、MAXふくおか市政ニュースでも詳しく報じた。
福岡銀行の谷頭取は山崎広太郎前市長の支援団体「希望ふくおか」の役員(監事)であった。
しかし、対立候補である吉田市長側に政治資金を提供していた事実は、収支報告書が証明している。事実関係をたどれば、福銀はむしろ吉田市長支援に力を入れていたと考えるしかない。
市長選挙の投・開票日、同行の地域金融部公務室長が吉田市長の選挙事務所にいたこと
もそのことを証明している。
地域金融部公務室長とは、まさに福岡市を対象とする部署ではないのか。
本社は福岡銀行に対しても質問書を手交していたが、これまた無視であった。何の問題もなければ、指定金融機関という公的使命を背負った銀行として、説明責任があるのではないだろうか。
人工島のこども病院単独移転には、「銀行救済」との批判が絶えない。利用者や小児科医の意見を無視した人工島の検証・検討には市民からも批判が多い。
先日、ある新聞の吉田市政の検証記事には、JR九州・石原社長の「人工島事業に関する市長の方針は正しい」とのコメントが掲載されていた。
一体どんな方針の、どこがどう正しいのか、教えていただきたい。こども病院が単独移転することが正しいというのなら、車を持たない家庭は、タクシーをとばして人工島へ行けというのか。
あるいは、JR九州が、人工島まで鉄軌道でも作ってくれるのだろうか。
吉田市長との複数回の私的飲食が確認されている石原社長には、人工島の商業・娯楽ゾーンのことが理解できているのだろうか。石原社長が「個人的に」方針を聞いているのなら良く理解できているのだろうが、少なくとも市民や議会には、具体的な人工島のビジョンは示されていない。
何をもって「正しい」のか、説明を求めたい。
博多駅の再開発という大きな事業を控える中、福岡市のトップと当事者企業のトップが私的な飲食をすること自体、避けるべきなのではないだろうか。
いずれにしても、吉田市長の経済人との私的交際は議論の対象となるべきことではないだろうか。
同時に、ほんの1年前、経済界の方々は「希望ふくおか」として山崎前市長を支援したばかりだ。
福岡財界の変わり身の早さには驚かされるし、軽重を問われることになるのでは、と心配もしたくなる。もっとも市長選の裏で、実は吉田候補支援をやっていたのでは、その心配は的外れということになるが・・・。
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