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積水ハウスの興亡史 (16) 変化のスピードに対する対応力 | 愛する積水シリーズ
特別取材
2007年12月11日 10:33

 田鍋は時代が大きく変わろうとするとき、持ち前の対応力と決断で、第一次石油危機の時、第二次石油危機の時、その後続く長い不況の時代を世の中の変化を先取りしながら増収増益を続けたことは前述した通りである。

 最近、変化のスピードが早すぎる。まったく、誰も予想をしてなかったこと、思いがけないこと、そして過去に経験したことないことが、突然、世界経済を襲う。未体験の事態に遭遇したとき、どう対応するかで経営者の真価が問われるのである。

 たとえば、原油価格がバーレル100ドル近くまで高騰、1年から2年で倍以上になる、こんなことは誰も予想してなかった。原油高騰は穀物相場にも波及、世界の食料も高騰し始めている。今年はアメリカではとうもろこしは豊作とのこと。穀物相場は、豊作の時は相場が下がるのが今までの常識だった。だがしかし、今年は異変が起きている。下がるどころか、値上がりしたのである。理由はアメリカ政府がエネルギー政策の変更をしたことに起因している。とうもろこしからエタノールを生産し始めたのである。そして、世界の投機マネーが穀物にも投入されているのだ。

 また、サブプライムローンの問題が突然降って沸いたように欧米から発信され、株価が暴落する事態になってしまう。そのとき、サブプライムって何?というの日本国内の大方の実感だったと思う。アメリカで劣化ローンを混ぜられて、新たなファンドとして世界中に売られていた。今後もサブプライムの動きから目を離せない状況が続く。

 明るいニュースでは京大の教授がヒトIPS細胞(万能細胞)の発見がある。拒絶反応もない、自分皮膚から、どんな臓器にも変化するという、夢のような医療技術が開発されたのである。

 このように、世界はドッグイヤーからマウスイヤーへと激しくスピードを上げて動いている。田鍋が言っていたように、混乱してるときこそ、冷静さが必要、付和雷同してはいけない。(文中敬称略)

野口孫子


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