負ければドン・キホーテの烙印を押される山崎氏=厳しいビジネス戦争
日本トレイド・山崎社長は何の私心・私欲もなく、博多港開発元社長の志岐氏から頼まれ『呪われたアイランドシティにしてしまったら福岡市にとって身のためにならない。郷土のためにパラマウント事業を誘致しよう』と奮い立った。各方面(地元経済界・マスコミ)から袋叩きに会いながらも、同氏の志に対して一定の理解を示した中小企業の経営者たちから支援も仰ぎここまで辿り着いた。しかし、結果は事業の挫折という現実が横たわっている。
後始末、残務整理の問題が緊急の課題だ。理念がいかに優れていようとも事業敗北をすれば『やはり山崎氏はドン・キホーテであった』という烙印を押される。
山崎氏にとって「金もない・強固なコネもない・あるのは使命感・熱意だけ」という微弱な立ち上がりであった。加えること記述した通りにパラマウント事業がスタート時点から『坊主憎ければ袈裟まで憎い』というハンディキャップを背負っていた。
三重四重の難題を抱えてからの船出だからこそ弊社のスタンスは『邪心の一点の曇りもないパラマウント事業の育成・事業完遂を願う』ことであった。裸一貫の山崎氏が1,400億円の事業に成功した場合にはいかに中小企業の経営者に事業マインドの高揚というプラスメリットを与えるかを想定していた。だが高邁な支援動機があっても事業の挫折の現実には「我々の見る目は節穴であった」と反省するしかない。
だが本人は実にサバサバしている。どん底、失意の中で悶えている風でもない。何か秘策を練っている感じがする。「コダマさん!!全くの金欠病になった。150万の家賃代も負担になったからこの事務所は撤退する。前の築港本町の事務所に集約するよ」と何の照れるところもない。水面下で次の一策を練っていることへの自信の表れか!!「ドン・キホーテ」と言われても馬耳東風の反応である。
結局は投資ファンドとスクラムを組むしか事態打開できない現実
『俺がホークス球団』の三点セット事業をビジネスにしたのは『剥げ鷹ファンド=コロニージャパン』であった。福岡の再開発事業の最終キャピタルゲインを手にするものは外資の投資ファンドが多い。山崎氏の功績は久山町を世界に広めたことだ。50万坪の活用を狙った問い合わせは数多い。しかし残念ながら個別開発のプランしかない。一括まとめた事業を束ねきれる存在は、例えば地元にある『トリアス久山』を掌握したラサールファンドしかないだろう。どうであれ久山町のパラマウント事業誘致予定地には進出希望者が殺到していることは嬉しい限りだ。
だが福岡市民にとって『呪われたアイランドシティ』が迷走し方向が定まらないという頭の痛い深刻な問題が残った。福岡市・博多港開発はアイランドシティ進出に意思表示した企業に対し、あらゆる公共インフラ整備を条件づけてしまう。押し付けられた企業は嫌悪感を抱いて撤退の決断をする(最近では下関市本社の原弘産の例)。焦燥感に駆られている福岡市を救助するのは外資投資ファンドしかない冷酷な現実が横たわっている。
おわり
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