ピアス工場跡地のアスベスト問題 その1
柳川市議会定例12月議会 11日の一般質問から
11日は5名の議員の一般質問があったが、ピアス工場跡地のアスベスト問題や土壌問題について白谷義隆議員からの質疑応答で、ピアス問題をめぐり当局と議会、あるいは議員間での根深い不信があり解決への道のりが未だ遠いことを改めて印象づけた。
以下要旨。
〈白谷議員〉
1.ピアス跡地のアスベスト除去について解決を9月議会でもお願いしていたが、どうなっているのか。
2.産業廃棄物の不法投棄が取りざたされているが、ピアス社とどのような交渉をしているのか。
3.売り主が買い主に対して責任を負う瑕疵担保責任の期限が今月末で切れるが、延長についての考えを。
〈石田市長〉
1.ピアス社は売買契約の時点ではアスベストの存在について知らなかった、知ったのは契約後と言っていますが、ピアス社が百条委員会に提出した資料や発言内容から、ピアス社は平成15年の契約の時点でアスベストの存在を認識していたのではないかという疑問を市としてもっている。このことについてピアス社に回答を求めている。
2.ピアス社に瑕疵担保責任があるのでピアス社が全面負担でアスベストを除去するよう伝えている。
3.土壌調査の中間報告が13日に行われ、汚染の実態と汚染の原因がピアス社にあると判断できた場合当然ピアス社に責任を追及し、対策を講じることを求めていく。
4.瑕疵担保責任については再延長の覚書を締結したい。
〈白谷議員〉
1.アスベストも土壌もピアス社の責任でやってもらわねばならない。ピアスはアスベストの存在を知っている、と市長が言うならば徹底していくべきだ。
2.瑕疵担保責任の延長にはピアス社は応じてこないと思われるが、そのときはどうする。
〈石田市長〉
1.ピアス社の主張が「責任がある」から「売り主に責任はない」と変化している。法的に対応する事も考えている。
2.瑕疵担保責任の延長をすべきだと今後も主張していく。
〈白谷議員〉
1.「市長も言い訳が多い、議員も追及が足りない」という市民の声もある。真剣に受け止めねばならない。市長には危機感がない。
2.市長は「私の責任でやる」と何回も発言されているが、市民負担になるという疑問も出ている、どう責任をとるのか。相手はしないと言っているのだから。
〈石田市長〉
1.大人の対応をしていかねばならない。民事訴訟の推移もあるし、相手が対応を見ながら手を打っていく。
2.法的に対応するためには資料が必要だ、その調査費用の提案は議会で認められなかった。金の責任は別としていろんなことを想定しながらやっていくことが責任である。
以上のように明確な結論が出ることなく、ピアス社のアスベスト、土壌問題は持ち越しになった。
この問題は、合併前の大和町が町に誘致していたピアス社が撤退することに伴い、同工場と敷地を03年7月に5億4000万円で購入したもので、これに対して柳川市民から批判の声が上がり05年に百条委員会が設置され、06年7月に最終報告がなされている。
また、市民10人が石田市長に対し購入金額の全額返還を求める住民訴訟を05年12月に起こしている。
今後も引き続き何が問題で解決の道はなにか、レポートしていきたい。
この他、11日の一般質問を行った議員は、樽見哲也、荒木憲、梅崎和弘、熊井三千代
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