ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

クローズアップ

「逆境の経営学」 ~(株)吉野家ホールディングス社長 安部修仁氏~
クローズアップ
2007年12月17日 20:59

 本誌IBでも掲載した、吉野家ホールディングスの安部修仁社長。彼の経営学が記された『逆境の経営学』(日経ビジネス記者 戸田顕司著)から、安倍氏の思想、信念を学んでいく。

 吉野家ディー・アンド・シーは、設立以来、二度の危機を経験している。一度目は1980年の会社更生法適用、二度目は記憶に新しい、2004年牛肉の輸入停止による牛丼の販売中止。安部氏はこの二度の危機を、一度目は幹部候補生として、二度目は社長として経験している。

 安部社長は一度目の危機の際、再建の過程で、当時再建を任されていた増岡章三弁護士に経営における影響を受けたという。吉野家ディー・アンド・シーの創業者である松田瑞穂氏に学んだところも当然多く、安部社長の経営学は、増岡氏と松田氏の両者から学んだもの、ということになる。

 では、安部社長の経営学とはいかなるものか。
 「逆境の経営学」によれば、安部社長はリスクマネジメントを「マズローの5階層欲求」を会社の危機に置き換え、危機を度合いに応じて細分化する。
 「マズローの5段階欲求」では、第一段階から順に「生理的欲求」→「安全欲求」→「社会的欲求」→「自尊欲求」→「自己実現欲求」となる。これを会社の危機に置き換えると、「営業の継続」→「収益の確保」→「競合との同水準への到達」→「競合を上回る水準への到達」→「圧倒的な優位性の保持」となる。安部社長は、段階に応じて危機を段階的に細分化し、リスクマネジメントを行なう。

 このような思想の背景には、安部社長の「常に上からの目線で考える」という客観的視点が存在する。そのときその立場で考えるのではなく、一歩上から物事を観察し、考えるのである。この客観的視点が、「危機の細分化」を可能にしているのである。

 経営者にとって、リスクマネジメントは必須。しかし、リスクマネジメントに対してしっかりした信念や思想、方向性を確立している経営者は少ない。また、それを実現するとなるとなおさら難しいことは言うまでもない。しかし、二度の経営危機を乗り越えてきた安部社長はそれを可能にする。
まさに「逆境の経営学」である。
(つづく)


※記事へのご意見はこちら

クローズアップ一覧
クローズアップ
2012年12月13日 14:11
クローズアップ
2012年12月10日 07:00
クローズアップ
2012年12月 3日 07:00
クローズアップ
2012年11月30日 10:41
クローズアップ
2012年11月29日 16:15
クローズアップ
2012年11月28日 10:45
クローズアップ
2012年11月27日 15:28
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル