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「逆境の経営学」3 ~(株)吉野家ホールディングス社長 安部修仁氏~
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2007年12月19日 17:49

 経営において、社員のモチベーションは会社の方向性を決定する重要な要素である。しかし、多くの社員が在籍する企業では、そのモチベーションを良い方向へ向けることは容易ではない。良い方向へモチベーションを向けるには、トップマネジメントの判断とコントロールが重要である。

 安部社長によれば、企業において、90%の社員はいわゆる「様子見」で、5%が「士気の高い社員」、5%は「不満を持つ社員」だという。この「士気の高い社員」の判断とコントロールが、モチベーションの方向性を決定する。わずか5%とはいえ、「様子見」の90%の社員は良くも悪くも「士気の高い社員」に影響を受け、流される。だから、この「士気の高い社員」が、社員が納得できる正論を持つこと、そしてそれが機能する土壌を作ることが、モチベーションを考える上で最も重要なのである。

 次に、そうした環境を作った上で、商品の「ブランディング」が重要になってくる。まず定義として、ブランドとは「共有すべき価値観の象徴」である。その管理として、「変えないもの」を決める。安部社長によれば、ブランドとは定義をしっかり行なえば管理できるものであるという。また、それを継承していくことも重要である。
 
 そして、そういったブランディングが、はやり廃りを超えた「商品政策」へと繋がっていく。目先の利益を追うのではなく、商品の質をさらに向上させることで、ブランド力はさらに上がる。利益をブランド力の向上に使うことで、さらなる利益を生み出す、というのである。事実、この循環により、吉野家は営業利益率15%という、外食産業では考えられなかった利益を生み出している。

 経営者の経営哲学を組織全体に浸透させることは、規模が大きな企業であるほど難しくなる。しかし、そのマネジメントを行なわなければ、どこかで組織に歪みが生じる。重要なのは、「どう社員を良い方向に誘導するか」というマネジメント方法をしっかり確立することだ。
 アルバイトから経営者まで、組織の末端から頂点まで経験してきた安部社長は、そのことを頭だけではなく身をもって理解し、そして体現している。
(つづく)


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