安部社長のファイナンスに対する考えは、シンプルである。「キャッシュが一番の拠り所」と表している。牛丼販売中止時に、現場のスタッフが「もしや、また倒産するのでは?」という不安から浮き足立たれては困るので「給料は払えるから安心しろ」と至ってシンプルな言葉をかけた。若干ひんしゅくを買った面もあるようだが、説得力がある。「いざという時はカネ」という言葉通り、フリーキャッシュフローの蓄積があるからこそ、リスクに備えられる。さらに加盟店には損をさせない仕組みを構築でき、また強い商品力でもってROI(投下資本利益率)を高められると言えよう。
経営に関しては、時価総額経営とは一線を画している。同社は、京樽などM&Aを行なっているが、その目的は①経営者教育の場を確保②会社の文化性を伝授③キャピタルゲインの期待を挙げている。急成長な戦略でなく、永続的な視点で人材の育成など経営の充実に主眼を置くことが安部社長の考えの柱である。
言葉としての定義であるが、「うまい、やすい、はやい」の同社の営業上のキャッチフレーズでもわかるように、言葉即ち伝えることをとても大切にしていることが、深く伝わってくる。
(つづく)
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