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食の安全を考える ・・・現場の実態から・・・(2)
福岡市政ニュース
2007年12月28日 10:35

求められる消費者自身の判断


 今回、情報公開請求で入手できた食品に関する苦情や情報提供の事例は、平成17年から今年にかけて3年間で約100件、ただし、この数は実際に市側が調査するなどして、何らかの違反行為があり、指導等をしたものに限られる。
 実際の受付件数はさらに多かったものと見られる。

 比較的多いのが食品への異物混入。異物はさまざまで、針金、金属片、木片、プラスチック片、ガラス片、ビニール、輪ゴムなどが確認される。リバテープや炭といったものもある。口腔内を傷つけた例もあり、改めて異物混入の危険性を知らされた。
 大半が食品の製造工程で混入したものとされていたが、食品は、日常何も考えずに口に入れるパンや菓子類が目立つ。特に菓子類への異物混入は件数が多い。
 飲食店で提供されるものへの異物混入では、はえ、ゴキブリが大半である。

 「保健所の顕微鏡にて虫はゴキブリと確認」などという記述を見るとぞっとしてしまう。
どのケースも故意ではないのだが、食を提供する側の衛生管理には、かなり問題があるということが分かる。
 これらの事例は調査結果まで記されているのだが、大量に販売される菓子類などについては、公表したほうが良いのではないかと思われるものもある。
 特に金属片などは、目視や口の中で気付いたものが表沙汰になるのであって、飲み込んだものについては、消費者本人も気付かぬままになってしまうだろう。製造工程で異物を混入させた場合は、公表すべきである。
 
◆食品表示不備

 食品表示の不備も件数が多い。消費期限・賞味期限などが貼付されていないケースや、期限切れ、表示漏れなどが確認される。

 路上販売の弁当についての苦情も多い。路上販売の場合、表示が無いケースが大半である。
 確かに路上販売の弁当に表示が無ければ、万が一異物混入や食中毒が起こった場合、連絡に支障をきたす場合が生じてしまう。
 サラリーマンにとって便利な存在ではあるが、販売業者側も消費者への配慮と法令遵守が必要である。

 気になるのは、期限切れの食品を販売したケースである。販売者のチェック漏れとして処理されているが、踏み込んで故意か否かを調べるのは、市の権限では限界があると思われる。
 また、期限内であるはずの食品にカビが発生していたり、腐敗している事例が報告されていることからすると、食品の賞味期限・消費期限についての信頼性そのものを疑わざるを得ない。

 自分のことは自分で守るしかないということなのである。 

つづく


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