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食の安全を考える(3)・・・現場の実態から・・・
福岡市政ニュース
2008年1月 7日 09:42

求められる消費者自身の判断


 食品への異物混入、表示不備、いくつかの事例をご紹介したが、食品自体が腐敗したりして変質したケースも散見される。
 集合店舗で漬物を買ったら、きゅうりが腐敗していたとの苦情に対し、立ち入り調査をしたところ、販売されていたきゅうりの漬物が、「腐って溶けた状態」となっており、表示もなかった、というケース等はその典型例。
 さらに、食品販売業の許可なしで豆腐を販売していると別件まで判明。(市側が)店長に聞いたところ、「パート従業員が見逃した」と、どこかで聞いたような話が記されている。
 結局、経営者に品質管理に徹底と食品販売業の許可を申請するように指導して「完結」とされている。

 この事例について、その後どうなったのか、文書自体は苦情を申し立てた市民に報告して「完結」となっているので判然としない。処分の対象にもならないのかと、少し驚いてしまう。
 腐敗したきゅうりを食べて何人かが食中毒を起こせば、当然、処分対象になるのだろうが、この事例の段階では、指導で終わることに疑問を感じる。
 その他、カビが生えた食品の事例や、料理屋に頼んだ正月用のおせちが腐敗していたなど、信じられないものばかりである。

 期限切れの食品を売ることは論外だが、表示された期限内でも、食品にカビが生じたり、腐敗の事例があることについては、消費者自身の判断力の重要性を、改めて考えさせられる。食品表示はあくまでも目安であって、過信してはいけないということである。
 食を提供する側の衛生管理の問題としては、ゴキブリやハエの混入事例が全てを語っている。
 公開された文書は店名や業者名が黒塗りであるため、外食のたびに思わず確認するようになってしまった。生物の混入はまさに衛生管理の問題である。食を提供する側への細心の注意を求めたい。

 船場吉兆の食品表示偽装は、ブランドだけに悪質であろうが、期限切れの食品販売の事例も少なくなかった。
 どれも、チェック漏れなどの理由で片付けられているが、売れ残りの菓子を連日平気で陳列・販売していたケースも存在する。もちろん購入者からカビの発生を通報され、立ち入り調査で杜撰な販売実態が判明している。
 これなど、指導だけでなく「処分」すべき事案ではないだろうか。

 大雑把に見るだけでも、食の安全について認識が甘かったことに気付かされる。身近な食品について、しっかりと見定めることのできる目を養う必要性を痛感した。
同時に、食の安全を管理・監督する体制が脆弱であることも理解できた。
 役所側も大変なのかもしれないが、業者側の言い分を聞いて「完結」とするケースばかりで、もどかしさが残った。

 身近な食について、より厳しい目で考えてゆかねばならない。


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