ピアス工場跡地のアスベスト問題 その8
昨年末にかけて、柳川市議会本会議におけるピアス工場跡地のアスベスト問題についての質疑をレポートした。
本日は、本会議終了後の市議会全員協議会の内容について報告を行う。
07年12月21日市議会全員協議会で土壌汚染問題を協議
本会議終了後、全員協議会が開かれた。議題は、土壌汚染問題とカラス対策であった。
カラス対策については、各自治体の事例などを研究・調査して実情に応じた対策を検討していくことになったが、土壌汚染問題についてはまたもやこれまでの議論の繰り返しになった。
この日の協議会は13日の松藤教授による中間報告をうけて具体的な対策を協議していくはずであった。
市当局は「事実に基づいて交渉する」との方針を語るのみで、最終的には「決議も挙がり一定の区切りを迎えている。枝葉末節の議論はやめて、損害賠償請求の出直し交渉、執行努力を強めていただきたい」との要望が市当局に対しておこなわれた。
松藤教授による中間報告は産業廃棄物の「投棄の可能性が高い」「有害物質は検出されなかった」とするものであるが、議員の質問に対して市当局は関係機関との連絡をとったあと「平成9年12月1日の廃棄物処理法施行令改正前に産廃が投棄された場合は、市として法規上の手だてはない」と報告
した。
また「施行令改正後に産廃が投棄された場合は、自社埋立地を所有していた場合は問題ない。新規に埋立地をつくったときでも“指導”」しかなく、あとは刑事罰によるしかないと報告した。
さらに「産廃の事実が判明した場合は、投棄者に報告・確認を求めることはできる」としたうえ「投棄者は平成9年11月までと答えるだろうし、いまさら意味があるのか」と報告した。
こうした市当局の回答に市議からの意見が相次いだ。市当局は「松藤報告をうけて、ピアス社の責任であるならやっていただく」「決議を踏まえピアスに毅然とした交渉をおこなう」という回答に終始し、前述の結論となった。
◇ ◇ ◇
松藤教授による土壌調査の最終報告が3月に予定されていることもあり、ずるずると事態が持ち越される可能性が大きくなっている。「有害物質はない」とする中間報告で一部の議員からは安心の声が出ていることは気になることだ。
有害であるか、ないかも問題であるが、産廃が投棄されている事実、しかも残滓があること、そして完全撤退したピアス社が積極的に除去する気がない中でのこうした発言は信じられないことだ。
しかもこうしたピアス社に対して「善意」を期待するとか、交渉でおずおずと解決できると考えるのはお目出たいにもほどがある、と言わざるをえないだろう。
市当局の素早い対応に期待しつつ、ピアス社跡地問題の解決は3月議会に持ち越された。
解決の主人公はだれか、なにが必要か、引きつづきレポートしたい。
つづく
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