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先を読む綿密な計画 (株)ラック (1) 勝つ経営の極意
経済
2008年1月 9日 09:58

 昨年で創立40周年を迎えた(株)ラックは、「西日本典礼」「RITZ5」などを展開する老舗の冠婚葬祭企業。昭和42年に福岡市中央区で(株)西日本ウェディングセンターを設立して以来、福岡市とその近郊に12斎場とリッツファイブ(博多区美野島)、フォーシーズン(甘木市)などの婚礼施設を擁する。

 また、貸衣装事業や生花事業、貿易事業にも力を注いでおり、個性化の進む婚礼事業や老齢化といった社会現象を踏まえた中で、積極的な事業展開を図っている。
社名のLAC(ラック)とは、「Life Living and Culture Convenience」の頭文字からとった名称。個性的な暮らしを創造し、情感溢れる文化コミュニケーターを目指す同社の方向性を示している。

 同社社長の柴山文夫氏は、弱冠26歳で(株)ラックを設立。常に「人間」に着目しながら事業に取り組んできた。人は、人間と人間の心の支えによって生きている。人生の節目に訪れる冠婚葬祭の儀式は、人間同士の結び付きを改めて実感できる機会を与えてくれる。柴山社長が同業界で40年もの間成長を続ける理由は、同志が語る「自称・人間大好き人」の哲学に支えられているのだろう。

西日本典礼は、福岡でもっとも古い葬儀社の一つで、年間1500件の葬儀を施行している。平成16年からは全国でも珍しいフランチャイズ(FC)事業を開始した。

 その背景には、「葬儀の価格統一」を図る狙いがあったという。仮に同社が150万円でできる葬儀でも、他者では300万円規模になるケースがある。棺や骨壷などの仕入れ先が同じであるにも関わらず価格が異なるのは、「葬儀に要する費用が明確でないこと」が挙げられる。
 同社は、斎場をFC展開することで、「せめて福岡だけでも葬儀の価格を明確にできる」との意向があったという。しかも、互助会方式を採用しているため、会員に近くのFCを紹介できるメリットもある。もちろん、葬儀は専門職なので、FCの加盟者は西日本典礼のスタッフから、葬儀のノウハウやコマーシャルベースを用意される。FC加盟者は、200坪ほどの斎場を立ち上げるだけで済むわけだ。

 葬祭業界は、少人数化や家族葬などの普及を受けて、市場縮小傾向にある。また婚礼業界においても、ニーズの多様化や相次ぐ同業他社の進出で、競争は激化している現況。そんな中でも同社は、婚礼・葬儀ともに各単体で2ケタ以上の利益を生み出す。高収益を維持する要因を柴山社長は次のように語る。
「ある情報サービス企業のデータによると、高収益を上げるには、『戦略要因』『人的要因』『管理要員』をバランスよく維持することが条件だと言います。私は、この中でも特に『人的要因』に注目しています。当社のスタッフの平均年齢は29歳。スタッフの入れ替わりが激しい中、企業にとって最も大切なことは、社員がミッションを共有していることです」
 その達成に向けて、同社の社員はまず個々の目標を明確にし、能動的に目標を立てているという。

 次回から、2008年の(株)ラックの事業計画を掲載していく。


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