本社取材班が、福津市に情報公開請求していた福津市土地開発公社に関係する文書が開示された。（合併前の旧福間町時代のものも含めて）　ところが、公開された書類の内、土地の売買契約書は、価格も相手先も黒塗り。
　もちろん法人に関する分は公開されているが、個人の土地については「財産・収入に関する情報」にあたるとして非開示なのだという。
　事業ごとの全体の土地買収総額だけは別紙に明記してあるとしているが、これでは個別の契約について価格が適正であったかどうかチェックできない。
　
　ところが、福間町時代のもののなかに、契約相手先は黒塗りなのに、金額が明示してあるものが存在する。
　これでは元の土地の持ち主の財産・収入に関する情報が簡単に入手できてしまう。
　福津市に説明を求めたが「土地の総額を表示している」と訳のわからない答え。
　これでは個人の財産・収入が容易に分かるではないか。ほかの契約書は全て相手先と契約金額を消しておきながら、複数の土地とはいえ、相手先が１人であるものの金額を開示するということは、非開示とした理由との整合性がない。
　福津市は「検討する」としているが、情報公開の意義を全く理解していないのではないだろうか。

　県も含めて、多くの自治体が契約書の金額を開示し、土地の地番・契約先を非開示にするところが一般的である。
　もちろん、土地の面積は開示される。そうでなければ公金で買収された土地の価格が、適正か否か、市民が判断する機会を奪うことになってしまう。
　福津市には、改めて金額の公開を求めると同時に、整合性のない公開基準について回答を求めている。

　福津市については、ほかにも様々な情報公開を行っているが、問題は土地買収の問題だけではない。池浦市長のデタラメな政治資金管理状況は何度となく報じてきたが、市全体で市政の在り方を見直すべきだろう。

　今後も福津市からは目が離せない。続報に期待いただきたい。

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