福津市の市長交際費について検証を進めている。市民の税金を使うという自覚が感じられない支出の数々には、驚くばかりであるが、官官接待はご法度のご時勢に、福津市が、国の役人に「うにの瓶詰め」をお土産として持参していたことが明らかとなった。
起案文書によると、「福間都市計画道路松原上西郷線の直接施行の予算確定に関する要望のため、国土交通省土地・水資源局への訪問を行います。つきましては、この要望の実施にあたり、訪問先の手土産代について、次のとおり市長交際費を支出してよろしいか伺います。」と記されている。
(起案文書:https://www.data-max.co.jp/shisei/2008/01/mail01-25/s-01-25_02.htm)
購入したのは、「うにの瓶詰め」5箱、21,525円となっている。うに専門店の領収書は平成18年10月25日付け。さらに平成19年3月にも国土交通省へのお土産として、17,432円の支出が確認される。この時も領収書は、うに専門店のものであるが、なぜか起案文書はない。
予算をいただくのに、うにの瓶詰めを持参するという、涙ぐましい努力は認めなければならないのかもしれないが、お土産を貰った国の役人の声が聞いてみたいものである。
うにの瓶詰めがなければ、予算はつかなかったのだろうか?
いずれにしても、一般市民から見ると高級官僚への媚びへつらい、あるいは賄賂と取られても仕方あるまい。
福岡県内の自治体で県庁職員への官官接待が問題になったばかりだが、国の役人にうにの瓶詰めを持参して、予算のお願いをするのも五十歩百歩であろう。
福津市は、なぜか飲食の提供や、贈答、お土産といった旧態然とした予算執行が目立つ。
時代の流れから取り残されているのではないだろうか。
もうひとつ気になるのは、市長交際費からの支出である以上、領収書の宛名が通常「福津市様」となるはずのところ、様々な担当課宛に領収書が書かれているものが散見されることである。食糧費を持っていない所管課から起案文書を上げ、市長交際費の中から支出を行うシステムゆえに、時として所管課宛の領収書になってしまうらしい。
これでは、本当に市長交際費から支出されたものかどうか分からないのではないだろうか。要するに杜撰ということである。
行政も議会も、相互チェックできない福津市の有り様に、福津市民はもっと怒りの声をあげてもいいはずだ。
おそらく、今まで福津市の公金支出の実態に、メスを入れられることが少なかったのではないかと考えられる。
市民の判断材料を提供する意味でも、さらに福津市の実態に迫ってゆく。