銀行発注工事費水増し容疑で豊和銀元常務らが詐欺罪で逮捕される
昨年5月、弊社が豊和銀行を調査取材し、IB誌面にて既報のとおりのことが行なわれていたことが判明。当時、権勢を誇っていた漆間(元)常務が逮捕されるに至っている。
今回の逮捕経緯は、豊和銀行に設けられた調査委員会による告発であるが、同時に、直接の水増し請求事件の当事者である㈱司建設(大分市東津留2、07年3月民事再生法の適用申請、12月民事再生を断念して自己破産、負債総額約73億円)の穴井輝美取締役(事前に辞任)と結託して、豊和銀行が発注する工事につき、漆間常務は相見積もりも取らず、何度も不当に高い価格で随意契約し、発注したことが明らかとなった。当然、資金の還流がなされていたと思われるが、今後、警察の取調べで明らかになるだろう。
漆間容疑者は、1990年4月に総務部副部長就任、01年6月に取締役総務部長就任、03年6月に常務取締役営業推進部長に就任するまで、実に13年3カ月間の長きにわたり、本社の総務部に在籍。総務のトップにまで登りつめた。田舎の銀行によくある企業との癒着が、こうした長期政権の中で生じたことは間違いない。銀行の場合、営業関係者と企業との癒着が問題視され、1ポジョンに4年以上在籍することは非常に稀であり、ましてや13年間も総務畑一筋で総務のトップまで上り詰めるとは、異常としか言いようがない。
昨年4月、元頭取や元会長が、現経営陣から杜撰な経営の責任を問われ民事告発されているが、中枢で取り仕切っていた今回の漆間元常務の逮捕劇は刑事事件であり、意外な方向に進展することになろう。漆間・穴井容疑者のほか、電気工事会社の代表も逮捕されたが、広告代理店筋も関与しているのではとの噂も…。
なお、現在の豊和銀行の頭取には、整理回収機構から06年7月豊和銀行再建のため送り込まれたバリバリの回収機構マンである梛原氏が就任している。
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