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特別取材

自由化が多角化を推進(5) |九電の光と影
特別取材
2008年1月22日 14:59

 前回まで紹介したように、電力自由化の進展以降、分野を拡大し様々な事業に進出している九電。グループ会社の子会社、関連企業まで含めると膨大な数の企業が九電の下で企業活動を展開していることになる。

 とは言え、あくまでもコア事業は電力供給事業。以前のシリーズでも紹介していたように、電力の安定供給と環境問題への対応が、九電の最大のテーマであることには違いない。

 その環境問題で、電力会社にとってはショッキングな発表が行なわれた。世界銀行が1月19日に公表した地球温暖化対策の進捗状況の評価によると、日本は先進国の中で最下位、世界の排出量上位70カ国の中でも61位と最低レベルにあるということだ。

 これまで述べてきた電力自由化などによって、価格競争が促進され、価格が安いが二酸化炭素(CO)を多く排出する石炭の利用を増やしてきたことが低評価の最大要因となっている。

 日本はエネルギーの使用効率が世界でトップレベルとされるが、各国の効率アップでその優位性が薄れてきた上、風力などの自然エネルギーの利用拡大も進んでいない。石炭への依存傾向も2006年度の使用量が前年度比1・2%増と変わっておらず、電力会社に対しては、今後、抜本的な対策の見直しを迫られることになる。

 九電でも、太陽光発電、風力発電をはじめとする自然エネルギーの普及に向け西日本環境エネルギー(株)ほかグループ企業が活動しているが、これらの活動は以前道半ばという状況と言わざるをえない。


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