福岡県篠栗町のマンションの管理組合が、「設計や施工のミスがあり構造上の安全性が確保されていない」として、販売会社と建設会社、設計事務所などを相手にマンションの建て直しを求める訴訟を福岡地裁に起こしていた問題で、まだ和解には至っていないことが判明した。次回の話し合いは2月12日の予定。
また、それに関連して、福岡市はマンション建築の際、限界耐力計算を用いた場合の層せん断力係数(Ci)の1.25倍以上の割り増しを支持していたが、それが「基準ではない」ことが分かった。以下はその全文。
平成19年11月6日
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福岡地方裁判所第1民事部
裁判書記官 有馬 一博 様 |
福岡県建築都市部建築指導課長 |
調査嘱託書について(回答) |
平成19年10月30日付けの調査嘱託書の件について、下記の通り回答します。 |
1. |
平成10年2月5日以降、福岡県が鉄筋コンクリート造11階建てマンションの建築確認を限界耐力計算による構造計算で行なうにあたって、高さが20mを超え31m以下の建築物において、一次設計で層せん断力係数(Ci)の1.25倍以上の割り増しを基準としていましたか。
【回答】
基準としていない。
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2. |
上記1.25倍の割り増しを判断基準としていた場合、それを判断基準としていた根拠は何ですか。
【回答】
―
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3. |
上記1.25倍の割り増しを判断基準としていない場合は、その実質的な根拠は何ですか。
【回答】
限界耐力計算は、行政指導の参考にしていた「建築構造設計指針1991」及び「建築構造設計指針2001」(監修:東京都建築構造行政連絡会)の適用範囲外であったため。
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簡単に言えば、福岡市では1億円でできるはずのマンションを1億2,500万円で造らせており、2,500万円もの余分な負担をオーナーが強いられていたことになる。
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