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特別取材

目に見え始めた春吉開発 天神博多回遊軸の期待高まる(2)
特別取材
2008年1月24日 10:51

進む開発事業 南下現象にも拍車

 では、現状はどうなっているのだろうか。対象となるエリアには、現在でも、木造家屋、商店、銭湯、ホテル跡地など、小さな建物が軒を並べているが、その一部は、福岡市から業務を委託されている都市再生機構(UR)によって、すでに区画整理されており、11年の事業完了を目標に計画は進んでいるようだ。また、その一番東側にある電気ビル駐車場跡地(約5,000㎡)も、すでに更地となっており、今年4月にワンルームマンション2棟の着工が決定している。

 ただ今回の計画では、前述したとおり、開発の核となる渡辺通・春吉線はキャナルシティ南側まで開通しない。まずは、電気ビル駐車場跡地までの220mということになっているが、これまで手をつけられなかったエリアに、初めて開発のメスを入れるという意味では、大変重要な出来事と言える。

 再開発事業のほかにも、現在、この地区の周辺では、マンションやオフィスビルなどが建設中(確認できただけでも3カ所)であり、渡辺通りをはさんだ向かい側の電気ビルも、総工費60億円をかけて地下1階、地上13階建てのテナントビルを建設している(08年5月完成予定)。また、少し高度を上げて薬院まで視点を拡げれば、「薬院しろやま乃湯」跡地の案件もある。東京建物は、薬院地区を天神に隣接するビジネスエリアとして捉え、この跡地に店舗を含むオフィス主体の14階建ての複合ビルを開発する予定だ。数年後、このエリアの様子は見違えている可能性が高いと思われる。折しも、旧ジークス天神ビルに天神ロフトが開業したこともあり、天神中心地区から見れば、南下現象は確実に進むだろう。


那珂川沿いはラッシュ ホテル街の置土産?


 ここまで、渡辺通り沿い側の開発状況を見てきたが、その東側、春吉地区においても建設現場が目立ってきている。現場の数で言えば、渡辺通り沿いよりも多い(確認できただけでも7カ所)。とくに那珂川沿いのホテルイルパラッツォに面した通りの開発は著しく、マンション、ホテル、飲食ビルなどが予定されており、顔ぶれも多彩。かつて、このあたりはラブホテルが建ち並び、あまり良くないイメージが定着していたが、通り自体は狭いものの、先ほどの渡辺通・春吉線と交差することもあり、再開発が進んでいると考えられる。

 ただ、この地区も小さな建物が密集しており、まとまった土地が無いため、開発がなかなか進まない。そのため、中規模の比較的新しいマンションの眼前に、古くなった家屋や商店が並ぶなど、虫食い状に開発が進んでしまっている。例外が、前述したイルパラッツォの通りで、ラブホテル跡地というある程度まとまった土地があったからこそ、現在の状況があるとも言える。


つづく


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