さて、日本にもたくさんのテーマパークがあります。日本のテーマパークとディズニーランドの大きな違いは何でしょう?それは、お客様のリピート率の違いです。東京ディズニーランドの年間入園者数のおよそ1700万人の9割以上がリピーターであるといわれています。この驚異の獲得率こそが、サービス業で成功するために一番重要なことなのです。では、高いリピート率を獲得するためにはどうしたら良いでしょう・・・。その答えは、「付加価値」です。そう、売る商品に付加価値をつけて営業するのがサービス業です。
まず、サービス業においては、売る商品自体が、一商品として価値のあるものでなければなりません。これは、必要条件です。しかし、これだけではなかなかリピーターを獲得することは難しいものです。お客様の心をつかみ、リピーターとするためには「いかに質の高い、納得してもらえる付加価値を付けられるか」ということです。サービス業の場合は、決して「安いから」、「値引きしているから」、「特売品だから」という理由で人が集まり、リピーターになってくれるわけではありません。まず商品が価値あるもの、そして適正な付加価値です。
ディズニーには一商品として価値のあるアトラクションやレストランなどに加えて、お客様を納得させるだけの付加価値としてのサービスがあるのです。それは、「お客様の五感に訴えるサービス」を提供しているのです。五感の全てを通じて、人の気持ち、目に見えない心に感動を与えることができるならば、人は必ず気に入ってくれるものです。ここで、再度整理してみます。ディズニーが日本で成功したポイントは、より多くのリピーターを確保できたこと。テーマパークの理念をはっきりと打ち出したこと。そして、次の4つの点をしっかりと作り上げたことです。
1.ソフトの構築
2.(目に見える)ものへのこだわり
3.(目に見えない)バックステージづくり
4.従業員の教育とトレーニング
日本のテーマパークでは、ハードが優先されますが、ディズニーはソフトが最優先です。
たとえば、1)理念とテーマは? 2)サービスのレベルは? 3)どのような運営方法? 4)どのような機能を持った施設が必要か? 5)施設はどのような仕様か? 6)非常事態のときは? といった具合です。それだけではありません。
1.「なぜネームタグをつけているの?」
→それはね、一目でその人の名前が分かるように・・・です。
2.「従業員をキャスト、お客様をゲスト、なぜ?」
→それはね、非現実的な世界で働く人(演じる人)をキャスト、そのステージを見に来てくれるお客様がゲストだからです。
3.「『こんにちは』のあいさつはなぜ?」
→いらっしゃいませでは返答できないから
ディズニーの基本的なサービスの考え方は次のようなものです。
「ゲストのため、ゲストの思い作りのために、何かお手伝いはできないか?」
「このテーマパークを気に入ってもらうために、私に何ができるか?」
この2つのことをキャスト(従業員)は常に意識しながら行動しているのです。
さて、私たちは、結婚式場経営、貸衣装経営、葬儀場経営を行っています。私たちのサービス業を成功させるために、「リピーターの獲得」をテーマに諸々のアイデアを展開したいと思います。「目に見える数字」、「目に見えるもの」も大事ですが、本当に重視しなければならないことは、「目に見えない」サービスです。
2008年は、リピーター率を10%アップしたいものです。
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