42億の工事が22億でできる? 平成19年下水道局発注事業
公共事業の適正コストはチェックされているのか!?
昨年2月、3月と福岡市発注の公共工事入札で、立て続けに驚異的な低価格で落札業者が決まっていたことが判明した。
福岡市の担当部局によれば、「聞いたことがない」つまり前例がない事態であったとしている。
問題の工事は、福岡市下水道局発注の「比恵9号幹線築造工事」と「比恵13号幹線外築造工事」の2件。
比恵9号幹線築造工事は予定価格4,268,702,550円のところ、「錢高・福田・株木・志多・三軌建設工事共同企業体」が落札、契約金額は2,203,950,000円、落札率は約51パーセント。
比恵13号幹線外築造工事は、予定価格3,844,593,900円のところ、「清水・大豊・丸磯・西光・澄男建設工事共同企業体」が2,244,900,000円で契約。
落札率は約58%となっていた。
現在24億1千万円以上の公共事業については、最低入札価格「70%」が適用されない。
入札に国外企業の参入を促進するための処置で、こうした金額での落札が可能だったとしている。
2件の工事で実に37億円近くの予算が余った計算になる。市民にとっては喜ばしいことだが、事はそう簡単ではない。そもそも、予定価格の半額で本当に工事ができるのだろうか。
4万円が2万円になりました、というレベルならまだ現実として容認できようが、42億が22億になりましたという話は、福岡市の歴史始まって以来ではないだろうか。
事実、福岡市幹部OBも「そんな落札率は聞いたことがない、第一無茶な話だし、(適正に)できるとは思えない」
福岡市下水道局の話では、「最初にこの金額を知った時は正直驚いた」としながらも、「工事は適正に行われると確認している。一般管理費、シールドマシン、セグメント等が通常よりかなり押さえられていた」と説明している。
錢高組、清水建設の両社に対して、赤字になるのではないかと確認したが、両社とも「赤字になる予定はない」と回答している。
それでは、市側の積算、つまり積み上げていって出来上がった入札予定価格は適正だったのか、という疑問を抱かざるを得ない。
工事自体は予定価格の半額で施工可能、しかも建設業者は赤字にはならない、というのであれば、役所側が策定した予定価格自体が、大幅に水増しされたものだったということになりはしないだろうか。さらに検証を進める。
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