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特別取材

「共育」が紡ぐ組織、そして社会(4) | 人生のエナジー
特別取材
2008年1月31日 15:45

「商売は道によって賢し」


 入社して以降、高木氏は事業の拡大と会社の組織づくりに邁進することになる。この中で父親の影響、教えから受けたものは少なくない。というよりも多大なものがあったと氏は語っている。
 氏の父親はまったくの畑違いであったガソリンスタンド経営に必死になって働いた。開業に必要な危険物取扱の資格はもちろん、スタンド経営に関連する知識をどん欲に吸収しなければならなかった。氏はそれを目の当たりに見て小さいときから手伝ってきたわけだが、父親の口癖は「借金はするな。だますな。嘘をつくな」ということだった。どんな小さな事でも決して許してくれなかったそうである。「自分さえ良ければいい」という考えは駄目だ、という厳しい教えである。

 高木氏は今日の食品偽装が次々に明るみになり、消費者の重大な不信を招いている問題は、目先の利益のみを追求した結果であり、企業の倫理の欠如であることを、当時を振り返りながら語ってくれた。
 大衆食堂の頃からの“お客さんに喜んでもらい、堂々と商売する”という考えが根底に流れていたのである。

 高木氏は、「商売のコツ」としてつねづね父親から言われてきたことは「商売人は朝は早く、仕事は人よりも10分でも速く仕上げる」というものである。人の信用を得るためには努力を怠らず、少しでも効率を上げることだと。時間効率が信用を得ることになり、儲けにつながるということを口酸っぱく言われたという。さらに「商売の面白味」ということを身を以て示してくれたとも言う。

 例えば、自分たちの手で隅々まで洗車する、そしてお客さんに喜んでいただく。そうしたら次は、どうやってお客さんを喜ばせるのか、という発想になっていく。お客さんが来たら「この人に有難うと言わせてみせる」ということが楽しみになっていったという。そうしたら必ず次ぎもお客さんは寄ってくれる、という確信が沸いてくるのである。


[プロフィール]
高木 教光 (タカキ キョウコウ)                    
NPO法人 キャリア教育サポート 専務理事
九州産業大学 非常勤講師
1951年 福岡市博多区生まれ
1972年 九州産業大学 産業経営学部 卒業

NPO法人キャリア教育サポートを設立 地場企業の経営者と教育界の方々との連携を行い、青少年の健全育成と地場企業への就職支援事業、教育事業やイベントを開催 福岡地区の大学生の自立と 起業支援事業を行う。


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