ほっかほっか亭は、子のプレナスが東京の親を買収したとして当時話題になったがそうではなかった。
ほっかほっか亭は、1976年6月埼玉県草加市で産声を上げ、その後全国各地にFC展開、85年1月には3地域本部制を引き、東部のダイエー、関西のハークスレイ(旧名、(株)ほっかほっか亭大阪本部)、九州山口はプレナスが受け持った。プレナスは99年に東部を担当するダイエーからプレナスが権利購入して、九州山口の本拠地から新たに関東・東北の商圏を確保した。2,247店舗を有し全国のほっかほっか亭3500店舗あまりの60%以上を占有する。
・1976年6月 - 田渕道行氏(株式会社ほっかほっか亭総本部・元代表取締役)が、ほっかほっか亭の母体となる持ち帰り弁当店を埼玉県草加市にて創業。
・1978年4月 - 株式会社ほっかほっか亭設立。
・1981年7月 - 株式会社ほっかほっか亭総本部設立。
・1985年 - 東部・関西・九州の3地域本部制を導入。
・1993年 - 関西地域本部を株式会社ハークスレイに改称。
・1999年 - 株式会社プレナスが株式会社ほっかほっか亭(東部エリア)の株式を ダイエーから買収し子会社化。
・2006年 - 株式会社ハークスレイが株式会社ほっかほっか亭総本部を子会社化。
内乱の発端は「ほっかほっか亭」の商標権、同商標権を1981年7月設立されたほっかほっか亭総本部が有しているのか? プレナスが主張しているとおり東部を担当していたダイエーが商標権を有し、ダイエーから東部エリアの営業権を譲り受けたプレナスに移転したのかの対立である。
面白くないのは、創業者で総本部の田渕道行代表である。プレナス側の主張を通すと総本部には商標権使用料が入ってこないことを意味する。
プレナスは2006年12月19日に、「ほっかほっか亭」の商標権はプレナスにあるとして、ほっかほっか亭総本部を相手取り、商標権使用料として9,519万円の支払いを求め損害賠償請求訴訟を起こした。
そこで面白くない田渕代表は関西エリアを担当するハークスレイの青木代表(田渕氏とともに創業に携わる)に相談、プレナスの対抗手段として田渕氏は持株全部を青木氏側に譲渡したのであった。
プレナス×ハークスレイの構図
プレナス側からの訴訟に対して、本部側はプレナス側が東京で行っているワゴン販売を契約違反して訴え、またプレナスが運営する東部エリアの372店(埼玉・群馬・福島・宮城・山形)に対して本年2月末に更新時期がくる商標権使用を更新拒絶する旨通知したのであった。当然全面戦争突入。
商標権はどちらが有するのか司法に任せるとして、プレナス側は「事を荒立てても消費者のイメージが損なわれる」と判断したのか、これまで所有しているとしていた商標権を放棄することを1月15日発表した。
プレナスは新たなる商標を作ることになる。店舗も一昨年来モデルチェンジしており、店舗デザイン・看板・容器・印刷物などプレナス側には多大な損害が生ずると思われるが、長い目で見た場合、クリアーすべき事象と考えた方が得策である。
高収益体質を維持する同社は、今後中国・四国・近畿・北陸とどこでも店舗展開できるチャンスが到来する。特に中国、山口は同社のエリアであり、地続きで展開できる。一時的な損失より長期的な発展が見込まれるのである。
プレナスとハークスレイ決算比較 (単位:百万円)
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プレナス |
ハークスレイ |
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07/2月期 |
07/3月期 |
売上高 |
122,694 |
24,393 |
営業利益 |
13,169 |
1,811 |
営業利益率 |
10.7% |
7.4% |
経常利益 |
13,351 |
2,582 |
経常利益率 |
10.8% |
10.5% |
当期利益 |
6,701 |
1,049 |
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総資産 |
73,267 |
31,672 |
純資産 |
56,697 |
21,940 |
自己資本率 |
77.4% |
69.3% |
有利子負債 |
0 |
4,063 |
|
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店舗数(FC含) |
2,397店 |
996店 |
※弁当屋さんは儲かる。