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ベスト争奪戦は長期化の様相 株主総会が大きなヤマ場(1) | 東京レポート
特別取材
2008年2月 5日 14:55

 家電量販店7位のベスト電器(福岡市、有薗憲一社長)をめぐるM&A(合併・買収)は、最大手のヤマダ電機(群馬県前橋市、山田昇社長)、2位のエディオン(大阪市、久保允誉社長)、5位のビックカメラ(東京都豊島区、宮嶋宏幸社長)の3社の思惑がからみ、長期化の様相を呈してきた。

ベスト争奪は三すくみへ

 ベストがM&Aの標的になったのは07年8月。ヤマダが約7%の株式を取得したことが判明。ヤマダは敵対的TOB(株式公開買付)をしないとして、ベスト株40%以上を取得し、商品仕入を一本化する提携を提案した。
 ベストはこれに対抗して9月、ビックと提携。ビックはベストの増資を引き受けて9.3%の筆頭株主になり、買収防衛策に協力した。  約3%の株を取得し、ベストの攻防戦に参戦したのがエディオン。昨年末、10%未満のベスト株を取得する提携を提案。エディオンとビックは、経営統合では破談になったものの、3%ずつの持ち合いを提携しており、最大のライバルであるヤマダに対し、ベストを挟み、エディオンとビックが対峙する形をとった。
 だが、ベストは1月17日、エディオンの提携提案を拒否。ビックに続いてエディオンと組めば、ヤマダが敵対的TOBを仕掛ける強硬姿勢に転じることを恐れたためだ。ベスト争奪戦は、ヤマダ、ビック、エディオンのすくみ合いが続くことになったのである。

 家電量販店のM&Aが続いている。ヤマダは07年6月に秋葉原のサトームセンを傘下に持つ、ぷれっそホールディングスを、同9月に新橋のキムラヤを買収。エディオンは05年4月、近畿のミドリ電化を子会社化、さらに07年2月には秋葉原の石丸電気を子会社化した。ビックは06年2月、秋葉原のソフマップを、ベストは06年12月に新宿のさくらやをそれぞれ子会社化した。
 M&Aに早くから取り組んできたのがエディオンである。エディオンは02年3月、デオデオ(広島市)とエイデン(名古屋市)の共同持ち株会社として発足した。当時、デオデオ社長だった久保允誉氏(現エディオン社長、57歳)とエイデン社長の岡嶋昇一氏(現エディオン副社長、57歳)は、日本電気大型店協会(NEBA、現在は解散)の加盟社を糾合して、ヤマダやコジマなどの新興勢力に対抗する構図を描いた。  70年代後半から90年代前半は、NEBA加盟店の黄金時代。ベストが17年間、売上高日本一を続けていたのは、この期間だ。だが、大店法改正による大型店の解禁に、NEBA加盟店は出遅れ、大型店に転じたヤマダなどの新興勢力に敗れた。

 統合に先立ち、01年11月、デオデオ、エイデン、関西が拠点のミドリ電化と上新電機の4社連合が発足。翌02年2月には、ベストも合流し5社連合になった。だが、もともと一国一城の主たち。営業エリアの調整は難航した。売上につながるため、お互いに一歩も譲らない。ベストは、7カ月後に連合を離脱。結局、デオデオとエイデンの持ち株会社として、エディオンはスタートした。
 それでもエディオンは、ミドリ電化、石丸電気、暮らしのデザイン、サンキューなどを買収して子会社に組み入れ、売上高ではヤマダに次いで第2位に躍進したのである。


つづく


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