JR九州グループのみならず、鉄道輸送に関わる企業は、同じ運輸部門なかでいかに鉄道が優れているかを内外に示す必要がある。
その指標として、1人を1km運ぶときに消費するエネルギー量およびCO2量がある。
「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告書によると、大気中のCO2濃度は379ppm(2005年)と、産業革命前の約280ppmの約1.4倍に増加。また、1906年から2005年までの100年間で、地球の平均気温は0.74℃上昇したとされている。
日本における2005年度のCO2排出量は12億9,300万トン、このうち運輸部門では2億5,700万トンで全体の19.9%を占める。自家用車の普及によって、1990年度より18.1%増加したようだ。
また、鉄道は他の交通機関に比べてエネルギー量、CO2排出量の面で優れているとされている。
※図の出典は運輸・交通と環境(交通エコロジー・モビリティ財団)
ただし、こうしたデータには鉄道敷設に係るエネルギー量、CO2排出量などは考慮されていない。もちろん、それらをトータルで算出するのは難しいのかもしれないが、「環境」である以上、ひとつひとつの営為が及ぼす影響をできるだけ数値化し、より分かりやすく伝えていただければ幸いである。
※記事へのご意見はこちら