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官民一体となって都市活性化 ─ 北九州市長 北橋 健治 氏 (1) | トップインタビュー
特別取材
2008年2月 7日 16:59

福北連携で共存共栄を目指す

 昨年2月4日、北九州市長選において見事に当選を果たした北橋健治氏。就任1年目は、マニフェスト実現のために全力を注いだ。

 今、北九州市は、ものづくりのまちとしてだけでなく、物流拠点のまちとしても徐々に基盤を固めつつある。また、福北連携によって新たな可能性を模索する。

 北橋市長に、昨年を振り返っての感想と今後の政策について、話を聞いた。


人にやさしいまちづくり

  ──  市長就任後1年目を振り返っていかがでしたか。

 北橋 就任1年目の昨年は、市民に約束したマニフェストの実現に向けて全力を注ぎました。議会での議論などを経て、子育て支援や教育、福祉の充実など、マニフェストで掲げた政策の大半に着手し、「人にやさしく元気なまち」づくりの第一歩を踏み出すことができたと思っています。

 まず、できることからやってみるということで、市のHP内に「市長への手紙」を開設し、1,800件を超える意見が寄せられています。また、地方交付税の削減など厳しい財政状況のなかでまちづくりを進めるため、「選択と集中」を中心とする20年度の経営戦略を定めました。

 さらに、自動車や半導体関連産業などの相次ぐ企業の進出、日中の環境協力プロジェクトに日本の自治体として唯一参画するなど、これまでの取り組みが実を結び始めた1年でもありました。
 市民を元気づける話題として、ニューウェーブ北九州のJFLへの昇格や北九州市立高校の女子全国高校駅伝競走大会への出場などがありました。

  ──  今年の北九州市における課題と重点的に取り組みたい施策についてお聞かせ下さい。

 北橋 子育て支援や教育、福祉などの充実、産業の振興などをさらに推進します。
 具体的には、放課後児童クラブの未実施校区への新設、小学校1年生および中学校1年生における35人以下の少人数学級の導入、すべてのいのちを尊重する的確なセーフティネット「いのちをつなぐネットワーク」の構築、「ワーク・ライフ・バランス」の推進などを考えています。

 産業面では、ここ数年の企業進出の追い風を生かし、これまで以上に誘致活動を進めます。
 また、必要な都市基盤については、採算性などを考慮しながら「選択と集中」により整備していかなければならないと考えています。

 そして、今年の後半には約10年先を見据えた都市ビジョンとして新しい基本構想を策定します。
 さらに、市制45周年を記念して「元気発進!北九州」をテーマに、スポーツの振興や市民の健康づくりなどに取り組み、全国に「元気都市・北九州市」をアピールしていきます。

 ── 北九州市の活性化にはどのような施策が必要だと思われますか。

 北橋 市民生活の質の向上を図る「人にやさしいまち」と産業の振興と雇用の拡大を図る「元気なまち」を車の両輪として力を入れていく必要があると考えています。
 具体的には、子育て支援や教育環境の整備、高齢者の健康・生きがいづくり、スポーツ振興、文化・芸術活動への支援、地域セーフティネットの構築などにより、市民が暮らしのなかで幸せを実感できるまちづくりを進めます。

 また、産業面においては、国際競争力のあるものづくり産業の振興、企業誘致の推進、集客産業の振興、中小企業の支援、商業活性化などにより、活力にあふれたまちづくりを進めます。
 そして、まちを元気にするためには、市民自身がこのまちに愛着と誇りを持てるようにすることが、何よりも重要なことだと思います。

 昨年は暗い話題が先行した感がありましたが、今年は明るい情報・メッセージをたくさん本市から発信していきたいと思います。そのため、これからはより戦略的にシティセールスを進めることも重要です。


(つづく)


北橋 健治(きたはし・けんじ) 氏
北橋 健治 氏 1953年生まれ。86年に北九州市から衆議院議院に初当選を果たし、6期務める。07年2月、北九州市長に就任。
 市政においては、「ハートフル北九州マニフェスト」をもとに、子育て・教育・福祉などの分野で大幅な拡充を図るとともに、整備された都市基盤を活用し、さらなる経済振興を目指して、市民の目線に立った「人にやさしく元気なまちづくり」を進めている。


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