激減した福岡市契約件数、金額
国および各地方自治体からの公共工事の抑制が浸透し、現在の建設業界は限られたパイをめぐり激しい市場競争が繰り広げられているのは周知の事実だ。また、福岡市も例に漏れず公共工事の抑制を進め、業者間でため息が漏れるほど契約件数は激減している。
「以前は、民間工事の収支はトントンでも、年に数回契約する公共工事で利益をだして会社を運営していました」と地場中小建築業者が語るように、過去には公共工事のうまみで経営がなされていた時代もあった。裏を返せば何も営業努力をしないで利益が出る構造があり、昔はそんな状態が続いていたのだ。
では、現状はどうだろう。
福岡市の契約課からの資料によると、ピークとなる1992年度には、すべての工事請負件数は3,417件、金額は約1,717億円を計上していた。
だが、周知の通り工事実績は年々減少傾向を辿り03年度には契約件数1,446件、金額は626億3,610万円と過去最低となった。実に、契約金額ベースでは上述した92年度契約実績の約36%しかなかったことが判明している。工事契約が14年間で約36%にまで縮小したことを含めて、発注元である福岡市契約課に話を聞いた。
つづく
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