魔法の書との出会い
自ら事業経営にまい進するかたわら高木氏は、福岡県中小企業家同友会の経営計画セミナーに参加することになる。それが氏にとって経営者としての意識改革につながるきっかけになったという。そればかりではなく、氏にとって一大転機になる感銘深い人々との出会いがあったと語る。経営計画セミナーへの参加は、キューサイの創業者長谷川常雄氏に誘われたことから始まる。そこでは長谷川氏をはじめ、富士食品の井上氏が一倉定氏の「事業繁栄の秘密」を受講生に伝えていくものである。中小の経営者が多く参加し「経営計画書」の作り方を勉強していた。そこで氏は、経営計画書の作り方だけではなく、経営者としてのあり方や心の鍛練法を学ぶことになった。そして指導に当たってした長谷川氏の薦めで、高木氏自身が「経営計画書作成セミナー」の講師を務めることになった。
セミナーで氏は、述べ400名以上の経営者と出会い、経営相談に携わることになる。そこでの出会いは、決して一方通行ではなく、お互いが共に学び、研鑽していく貴重な時間と空間であった。これが今日の氏の基盤となり、また大きな財産になっているーと高木氏は語った。
我が社のみが発展していけば良いという独善的な発想ではなく、中小企業が発展していくと共に地域が発展していくという考えが底に流れている。もちろん、セミナーに参加した全ての企業が発展したわけではないが、限られた資源の中で、従業員の潜在的な力を発揮させていくためのトップの役割と自己変革を促していく媒体になったことは間違いないことであろう。そうした役割を高木氏が中心になって担ってきたことは、人材育成・教育の場に生かされていくことになる。
[プロフィール]
高木 教光 (タカキ キョウコウ)
NPO法人 キャリア教育サポート 専務理事
九州産業大学 非常勤講師
1951年 福岡市博多区生まれ
1972年 九州産業大学 産業経営学部 卒業
NPO法人キャリア教育サポートを設立 地場企業の経営者と教育界の方々との連携を行い、青少年の健全育成と地場企業への就職支援事業、教育事業やイベントを開催 福岡地区の大学生の自立と 起業支援事業を行う。
※記事へのご意見はこちら