福津市・国交省 食い違う両者の言い分
福津市が市長交際費で「うに」詰め合わせを購入、国土交通省への陳情時に「お土産」として渡していたとされる問題は、福津市側と国交省側の言い分に、大きな食い違いをみせている。
福津市側によると、平成18年11月1日の国土交通省訪問時、「うに」購入の起案文書(参照)の通り、次の部署を訪問したとしている。
・国土交通省 土地・水資源局
・ 同 土地政策課
・ 同 住宅総合整備課
・ 同 まちづくり推進課
・ 同 住宅生産課
このうち、住宅総合整備課と住宅生産課は住宅局、まちづくり推進課は都市・地域整備局に属している。陳情の主たる内容は、独立行政法人・都市再生機構(UR)が福津市で進める開発事業の、予算確定のための要望・陳情だったという。
福津市側の説明は、極めて明確である。特に「うに」を渡した相手先については、土地政策課は課長が居たとしている上、まちづくり推進課については、地方出向していた人物がいたため、つまり知り合いだったとの説明もあった。
その他の訪問先についても、課長を訪ね、課長不在の課では、席近くの国交省職員に課長に渡してもらうよう依頼し「預けた」と話す。
また、平成19年3月の陳情時は、道路局企画課に、4箱の「うに」詰め合わせを全て渡したと明言している。
また、上記2度の陳情時の出張旅費支出関係文書も、日時・訪問先・訪問目的等の福津市側説明と合致している。
一方、「うに」をもらったはずの国土交通省は、大臣官房人事課を通じて、本社指摘の課長、及び次の地位にあるもの(課長補佐を指すと考えられる)まで調べたが、「うに」をもらった事実はないという口頭での答えであった。
この時点で、福津市側、国交省側の話は、真っ向から対立してしまう。
「渡した」「もらっていない」一体どちらが嘘をいっているのか・・・?
念のため、国交省に対し、文書による確認を要請したが、福津市が「うに」を手交した相手先として、「国交省職員」としたため、再度、省内調査をしたいとの申し出があった。
また、国家公務員倫理規程にも抵触する可能性がある事案であるため、その点も含めて調査するとのことである。
ただ、調査はあくまでも平成18年と19年の2回の陳情時だけとなってしまった。
先に報じた平成17年の2度の国交省への訪問時土産については、訪問先部局がはっきりしないということで、国交省側は、「(調査を)ご勘弁願いたい」としている。
しかし、当初、口頭での回答は「(うにを)もらったという事実はない」というものなのだ。今週には正式に文書による回答を約束していただいているので、追って結果を報じることになる。
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