国土交通省VS福岡県福津市
道路特定財源を巡って、何かと槍玉に挙げられている国土交通省に、頭の痛い問題が起きてしまった。
MAXふくおか市政ニュースで報じてきたとおり、福岡県福津市が国土交通省への陳情・要望活動を行った折、海産物「うに」の詰め合わせを土産として持参していた問題について、国土交通省から文書による確認回答が送られてきた。発信元は、国土交通省人事課である。
結局、本社指摘の事項に対する回答としては、不十分であるとしか言いようがない。
<2月5日ご依頼の件について>と題された文書について、原文のままご紹介する。
「標記につき、平成18年11月及び平成19年3月の訪問に関して調査したところ、ご指摘の5課の職員で福津市と利害関係のある職員の内、ご指摘の物品を受領した者はいませんでした。」
つまり、福津市側の「うに」を土産として買ったとする公文書や、取材に対する担当職員の話を真っ向から否定する内容ということになる。
ちなみに、本社より国土交通省に対し送付した、事実確認を依頼する文書を公開しておく。
(文書中の個人名は消しております)
取材班は、あくまでも国土交通省「職員」が、土産のうにを受け取ったかどうかを聞いているのだが、国交省側は、口頭での回答から一貫して「利害関係を有する職員」にこだわった回答しか出していない。
もちろん、利害関係を有する職員が土産をもらっていたとしたら、国家公務員倫理規程違反となり、処分の対象にもなりかねない。
それでは、利害関係が無ければ地方自治体から土産をもらっていいのかというと、決して「良い」ということではあるまい。土産をもらった職員が、異動で利害関係を有する職に就く可能性もある。
国交省側は、異動した職員も含めて調査したとしているが、利害関係を有する者に限定して調べたという。対象が多く、異動した職員もいて調査が簡単ではないとの説明である。
それ以外の職員には聞いていないということになるが、それほど多くの職員が対象であるとは思えない。また、(うにを)もらっていない、とする信憑性に疑問が残る。
なぜなら、福津市側は当初、平成18年11月1日の陳情時、少なくとも土地・水資源局土地政策課長が在席していたことを認めており、その課長を含め何人かの課長には「うに」を手渡し、その他の訪問先で、不在の課長に対しては、近くの国交省職員に「課長に渡していただくようお願いし、お預けした」と話している。
国交省側は調査結果として、土地政策課とまちづくり推進課は、福津市と利害関係にあることを認めた上、福津市長と「会った」と確認できた課長は、3人であるとしている。
ほぼ福津側の当初の話と合致するが、「うに」をもらったことだけは「無い」と断定するのである。
どちらが嘘をついているのだろう。さらに、この問題について検証を続けるが、不可思議なのは、国交省の対応である・・・。
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