~国土交通省VS福岡県福津市(2)~
福津市が国土交通省への陳情の折に、公費で「うに」を購入、陳情先の国交省官僚に土産として渡したとする問題は、さらに複雑な様相を呈してきた。
18日に国交省より本社に送付された文書回答は、「利害関係者」と限定しながらも「うに」をもらっていないと否定したものだった。
だとすれば、「うに」はどこに消えてしまったのだろうか?福津市民の税金で買った名産のうには、何に使われたというのだろうか?
福津市側が嘘をついているかというと、今回に限っては、正直に真実を話していると考えられる。
複数回にわたり事実確認をしたが、担当課長だけでなく、その他の職員も話が一貫している。国交省以外への土産ではないか、との意地の悪い質問にも、きっぱりと「間違いなく国交省職員に渡した。絶対に他で使ったりしていません」
また、陳情時の場景や陳情内容など、極めて具体的な話ばかりである。本当のことであると思われる。
また、そうでなければ(うにを国交省職員に渡していなければ)、福津市は、池浦順文市長はじめ関係職員が虚偽の起案書を書き、あるいは支出をなし、公費を騙し取ったことになってしまう。
◆不可思議な国交省側対応
一方、国土交通省側の対応は、首をかしげたくなるようなことばかりである。当初、本社東京支店からの直接取材に対し、福津市の「うに」購入起案文書をコピーした上で、1週間の期間内での調査を約していた。
この時は、口頭で、該当する課長については、「『うに』をもらった事実はない」と回答してきたため、改めて、文書による確認と再調査を依頼した。
その理由は、福津市側が、自信を持って「国交省の役人に渡した」と主張する以上、うにが消えてなくなるはずもない。そうなると、どちらかが嘘をついていることになる。
もちろん、国交省側が本当に「うに」をもらっていなければ、福津市は虚偽の公金支出をしたことになるし、利害関係を有する職員がもらっていれば、国家公務員倫理規程に抵触する事案である。
どちらも後に引けない状態である。本社取材班としては、文書による回答を担保したうえで、福津市側に再確認しなければならない。
しかし、国交省側は、文書による回答を求めてから、いささか迷走気味になっていく。
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