~国土交通省VS福岡県福津市(4)~
18日朝、国土交通省から連絡があった。これから本社取材班が依頼した文書による回答をFAXするという。しかし、ここからおかしなことを言い始める。
「ネット上や誌面で、送付した文書そのものを公開しないでもらいたい。」と言うのである。
内容を記事にすることは構わないとも言う。理由を問うが、国会がどうのと、さっぱり要領を得ない。
しかし、本社は経済誌「I・B」や「ネットI・B」「MAXふくおか市政ニュース」などで報道・情報発信をしている。簡単に(はい、分かりました)とは言えない。
こちらとしては、社内で検討するが、いまのところ送付された原本そのものを公開するためにお願いしたのではなく、福津市側に国交省は「うに」をもらっていないという根拠を示すため、及び、記事の信頼性を担保するためであることを説明した。
国交省側は、「もちろん、これはお願いということですが・・・」と断ってはいるのだが、送付前のやり取りで、このような話になるとは思ってもいなかった。
何より、原本を公表するのを避けたい理由が、まるで分からない。
送付されてきた文書の回答内容は、先述したように、取材班の確認依頼事項に対するものとしては全く不十分のものであった。
回答文書受領後の18日夕方、再度国交省の担当職員に確認した。なぜ原本の公表は困るのか?
「国会でいろいろ道路のことをやっている時期でもありますし、文書をおかしな方向で使われる場合があると困るのです」との説明である。
さっぱり意味が分からない。
たったこれだけの、本文は3行にも満たない回答文書を出すのに、何を躊躇しなければならないのか。他のメディアまでが文書での回答を求めると困る、悪しき前例を作ってしまうということなら、文書回答の事実と、内容を記事にするのは構わない、という話との整合性がなくなる。
国会がどうのこうのという点ばかり気にしているのは、道路行政を司る国土交通省が、陳情を受けて「うに」をもらったという話が、これ以上拡大するのが困るのか、国会で事実関係を糾明されるのが困るのか・・・?
国交省との話は、最後までかみ合わなかった。
問題の根源は、補助金行政そのものにある。地方と中央の関係、お願いする側される側、そうした関係が中央官僚の肥大化・尊大さを生んできた。
地方自治体の首長が「道路特定財源」を残せと叫んでいるが、それで本当に地方分権ができるのか、疑問に感じる国民が多いことだろう。
福津市による国交省への陳情、土産の「うに」持参問題は、立場の弱い地方自治体の姿を余すところ無く浮かび上がらせた。
同時に、「うに」をもらったはずの国交省側が、「もらった者はいない」と言い張るのなら、税金で購入された「うに」はどこへ消えたのだろう?
疑惑が深まる中、陳情に国会議員が関与していた事実が判明する。(一部既報)
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