全国の私鉄などで組織される日本私鉄労働組合総連合会（私鉄総連）は、昨年の秋季闘争で非正規社員の正社員化を求め、大手私鉄14社のうち12社がこれに応じる姿勢を示していた。全労働者の３人に１人、私鉄総連内でも６人に１人が非正規社員という状況に加え、こういった要求は産業別組織として初の試みだっただけに、経営者側の判断に注目が集まっていた。

　交渉継続中だった西日本鉄道㈱は、勤務成績を考慮し正社員化を検討するという、これまで通りの人事体系にとどめる方針。
　西日本鉄道労働組合は、３年連続して就労する非正規社員を正社員化するという、制度としての正社員化を求めていたが、退けられたかたちとなった。労組側は「今後もこういった制度を要求していく」とコメントしている。
　西鉄グループ本体は、今期の業績予想において、税制の改正などを理由に増収減益を示しているが、そのほかに昨今の原油高高騰も影響していると思われる。ただ、厳しいのは応じた12社も同じであろう。

　ちなみに、ネット上の某巨大掲示板には、西鉄の労働条件に関するスレッドが立っている（約２カ月で1,000を超えており、地域関連のスレッドの中では比較的速い伸び）。書き込みをすべて鵜呑みにするわけにはいかないが、煙の無いところに噂は立たぬ…。