国交省へ手土産持参の陳情問題
土地・水資源局長への陳情も
福岡県福津市が平成18年11月、国土交通省に対し陳情活動を行った際、「うに瓶詰め詰め合わせ」を手土産として渡していた問題は、国交省側が「受け取った者はいない」として、福津市側の公文書及び言い分と真っ向から対立した形となっている。
今回、本社取材班が取材を進める中、問題の陳情時に、国会議員の事務所が関与していたことが明らかとなった。
関与が判明したのは、福津市を選挙区に抱える衆議院福岡4区の渡辺具能衆院議員の事務所。
関係者の話によれば、渡辺事務所が国土交通省土地・水資源局など陳情先への紹介を行い、陳情当日、同議員の政策秘書が池浦順文福津市長以下の陳情メンバーに同行、立ち会っていたという。
渡辺議員は、九大工学部を卒業後、国交省の前身でもある運輸省に入省、平成8年に衆議院福岡福岡4区から自民党公認で初当選、政治家への転身を果たした。
現在当選4回、自民党では運輸族として知られ、特に港湾関係には力を持つとされる。
平成18年11月の福津市による国交省への陳情時、渡辺議員は「国土交通副大臣」の地位にあり(平成18年9月就任)、所管省庁の予算を伴う陳情に、秘書が紹介・同行をしていたことは、地位を利用した利益誘導ではないかと指摘する向きもある。
渡辺事務所の政策秘書に電話取材したところ、「地元の大きなプロジェクトであることから、国交省にアポを取り、案内した上で同席した。副大臣としての規範に抵触したという認識はない」とコメントしている。
土地・水資源局長への陳情も明らかに
国土交通省への陳情問題で、土地政策課・まちづくり推進課の二つの課については、福津市と利害関係があるとされていたが、平成18年11月の陳情時、土地・水資源局長にも会って陳情していたことが明らかとなった。
国交省側は、同局長も利害関係を有することを認めている。