~国土交通省VS福岡県福津市(3)~
福岡県福津市が国交省官僚に渡したとする「うに」。国交省側は、利害関係を有する職員は、と断りながらも「もらった者はいない」と文書で回答。うには一体どこへ消えてしまったのだろう。
前述のとおり、今回の福津市と国交省の対応を比べると、福津市側が嘘をついているとは思えない。
なぜなら、「渡した」とする複数の職員に対し取材した折、話を合わせる時間を与えていないからである。
前触れなしの取材に対し、すらすらと当時の記憶をたどった福津職員の話は十分信用できる。
これまでの福津市にしては、珍しく正直だったというのが実感である。
◆国交省の迷走ぶり
一方の国交省ときたら、当初の口頭での回答まで1週間・・・。さほど昔の話でもないのに随分時間がかかっている。「該当課の課長は『うに』をもらっていない」という趣旨の内容であった。
さらに、文書による確認と再調査を依頼してからの国交省の対応は、まさに迷走。
文書による回答を求めたことに対し、対象を「職員」としたことや、人事異動もあり事実関係を確認するのが大変であることなど、いろいろな理由で次週まで時間をいただきたいということになった。もちろん、国家公務員倫理規程に関しても抵触するか否かも調べるということであった。
ところが、その約束の後に、対応した職員の部下の方から取材班に電話。
なんと、文書による回答を回避したいとの趣旨である。「そこまでやらなければならないでしょうか?」「朝日新聞や他のメディアも、お答えしたら『ああ、そうですか』ということで引き取られるんですよ」
なぜ朝日新聞を引き合いに出したのか分からないが、文書が残ることを嫌がられているとしか思えなかった。
押し問答の末、文書回答を約束していただいたが、今度は、「利害関係を有する職員」にばかりこだわりを見せ始める。
本社取材班は、「国交省職員」を対象に、うにをもらった事実はあるか否かを確認しているのだが、国交省側は、どうしても「利害関係を有する職員」に限定して話をしてくる。
まったくスッキリしないやりとりである。
国交省がこだわる「利害関係」について、改めて説明すると、国家公務員の担当する業務において、特定の地方自治体が直接、補助金・交付金・許認可などの事務対象になっている場合は、その自治体と官僚の間に利害関係有り、ということになる。(「国家公務員倫理規程 第2条」に規定する事項である。)
今回のケースでは、福津市が補助金や交付金、あるいは許認可を受ける案件を陳情した相手先官僚が、利害関係を有する者ということになる。もちろん、利害関係を有する官僚が「うに」をもらっていれば、同規程に違反することになる。
いずれにしても、この一連のやり取りの中で、平成17年の陳情時の調査は「ご勘弁お願いたい」ということになり、回答は平成18年11月と19年3月時の件についてということになってしまった。
何度かやり取りをした後、2月15日に回答送付という連絡を受けたのだが、同日夜になって18日(月)にしてもらいたいとのこと・・・。
同日朝、やっと送られてくるかと思ったら、最後の最後でまたしてもおかしな話になってくる。