税金は誰のために使われるものか考えるべし!
福津市ホームページ上の池浦順文市長のコメント(「市長の手帳」)からは、報じられてきた公金の不適切な支出について、なぜいけないのか、なぜ批判されるのかを全く理解していなかったことがうかがえる。
「『観光』や『温泉旅行』という面だけを捉えて報道されたことを大変残念におもいます。」
とあるが、マスコミ批判であると同時に、報告書やレポートさえ無い旅行に、あたかも大きな意義があるかのような言葉である。
なぜ複数のメディアがこの問題を取り上げたのか、分からなかったということになる。
福津市以外の自治体で、区長や町内会長などを務める方々に意見を聞いてみたが、全額公費の研修旅行など、どこもやっていないし、本社取材班が入手した「行程表」からは、地域リーダーとして「スキルアップ」に役立つものは見えてこないという答えばかりである。住民自治の確立には、第一に地域リーダーの意識の高さ、そして自主的な住民参加が不可欠である。区長の観光旅行から得るものがあるとは思えない。
足もとの福津市民をあきれさせるような公金支出を、平然と続けてきたこと自体、市民感覚が欠如していたということになるだろう。これで本当の自治が育つはずがない。
現に、多くの福津市民から「とんでもないこと」「こんなバカなことをやっているとは知らなかった」「やめさせたい」という声を頂戴したことも、ご紹介しておく。福津市民は「区長の観光・温泉旅行」を市民のための適切な事業とは思っていない、と考えるべきだろう。
税金で行なっていた「区長研修」の在り方そのものが、市側が当初説明した「区長のスキルアップのため」とは程遠い内容だったことは明らかである。
しかし、税金の無駄遣いを謝罪する姿勢は、市長のコメントからは全く感じられない。
批判や報道に不満があれば、現行の旅行を続ければよい。成果があるのならなおさらである。評価は市民が下すことである。
市長コメントは、市職員の居酒屋飲食補助金にも言及している。
そして、自らの言葉で、飲酒なしの「市長と語る会」では本音が語られない、つまり、職員の人心収攬さえできない現状を、明らかにしている。次の一文である。
「『居酒屋編』におきましても、語る会の短時間では語られなかったことや、この場でないと言えなかったことなど、職員の本音を聞きたく開催したものであります。」
この文章こそ、不適切な公金支出を正当化する、詭弁以外の何ものでもないし、酒を飲ませなければ職員の本音が聞き出せないと認めているようなものであろう。
福津市民は、税金で公務員が飲み食いしていた事実について、どんなに言い逃れしても認めはしないだろう。
しかし、これだけ市民を軽く見ている首長は、ある意味非常に珍しい。もう少し市長コメントについて検証しておく。
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