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CMCスタディーツアー同行取材記―21世紀最大の負の遺産・「悪魔の兵器」地雷(2) | 地雷被害の現状をどう受けとめ、どう伝えるべきか
特別取材
2008年3月 4日 11:08

 1月5日に福岡で行なわれた事前研修会では、今回のツアーとカンボジアの現状について紹介がなされた。今回のツアー参加者は、大谷賢二代表を含め18名で、過去最高の動員となった(例年は10~15名)。年齢は11~66歳で、10~60代まで10代ごとに最低1名ずつおり、男性11名、女性7名と、非常にバランスがとれた構成であった。地域は北から、宮城、埼玉、東京、神奈川、大阪、兵庫、大分、佐賀そして福岡と、全国各地から参加があった。

 昨年12月いっぱいまでの募集予定だったようだが、11月末には定員オーバーとなるほどの盛況ぶりである。参加動機には「国際理解を深めたい」、「地雷撤去をこの目で見てみたい」、「3年に1回は参加するようにしている」、「姉が参加していた影響で」など様々であった。

 研修会ではまず、CMCの活動をダイジェストで作成したDVDで現在の活動内容および範囲が紹介された。次に大谷代表から、前回のツアー以降のカンボジアの現状がスライドで紹介された。スライドには、電気や水道といった生活インフラや道路などの交通インフラがまったく整っていない現状、そして地雷によって手足が奪われた人々が映し出されていた。さらに、元現地駐在員の古川純平氏より、ボップイ安倍小学校建設の過程と苦労が話された。

 カンボジアの人々は、今なお地雷被害に苦しんでいる。フィジカル面の障害はもちろんだが、手足を失って自暴自棄になってしまうメンタル面の障害の問題が非常に大きいようだ。そんな状況を打破するため、CMCは新たな試みとして2004年にラジオ放送を始めている(詳細はhttps://www.data-max.co.jp/2008/02/cmc1_cmc.htmlを参照)。

 残虐性・残存性・無差別性を持つ「悪魔の兵器」地雷は、まだ400万~600万個程度がカンボジアに残存していると言われており、懸命な撤去作業が行なわれているが、終わりは一向に見えない。カンボジア政府は、CMAC(政府系地雷撤去団体)を組織して早急に撤去する政策を打ち出している。しかし、その性急な撤去作業のせいでCMACでも犠牲者が出るなど、問題は深刻である。

 また、手足を失った被害者のための職業訓練校CWARSの活動も紹介された。ここでは主に、理容師やバイク修理士などが育てられているようで、ラジオ放送にも協力的だそうだ。

 なお、2月14日には出発式が催された。今回は約130名が会場を埋めつくし、多くの人々にCMCの活動が支えられていることを改めて感じた。と同時に、こうして記事にして伝えていくことの責任の大きさも痛感した。

 2008年になっても地雷被害者が絶えることはない。この現実をどう受け止め、どのように世間に伝えるべきか。こう思うのは私ひとりではなく、ツアー参加者全員の想いでもあっただろう。

つづく

【大根田康介】

※なお、3月8日(土)のTNC放送「土曜NEWSファイル CUBE」において、今回のツアーの様子が15分枠でテレビ放映されることになった。大谷氏も出演されるので是非ご覧いただきたい。


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