MAGの地雷撤去チームには、本部で雇われた「MAT(Mine Action Team)」と地域別に地元民を雇った「LDMT(Locality Demining Team)」がある。そして、MATがLDMTに対して地雷撤去の方法を伝授していく。
危険だと知りながら地雷原に入り被害にあうケースが多発している。貧困から生活のために、地雷原と知りつつ木を切り、畑を耕し、家畜の世話をするためである。MAGがLDMTとして地元住民を雇うことで、経済面及び地雷や不発弾に対する知識・技術面からも、カンボジア住民の生活を支えられている。
また、MAGの収益は寄付頼みのところがあり、各地で戦争が起こるたびに各国政府・企業などの援助先が変わるため、定期的・安定的な資金調達が大変だという。LDMTはMAGの経費節減にもつながっている。
さらに地雷撤去の要員が限られている(地雷撤去は2人1組)ため、地域別にどれくらい埋まっているか、農地として特性などの条件から優先順位をつけて、さらに地元の人と相談しながら撤去地域を決めていくということだ。
MAGバッタンバンには、MAT(1チームあたり15名×15チーム=225名(以下同))やLDMT(16×4=64、)のほか、CLT(Community Liaison Team、地域調整、2×5=10)、Map(Mapping of Reclaimed Land、開拓地の地図作成、2×5=10)、TST(Technical Survey Team、測量技術による地雷原検査、6×1=6)、MDD(Mine Detection Dogs、地雷探査犬、10×2=20)、EOD(Explosive Ordnance Disopsal、グレネード・ロケットなどの特殊弾撤去、5×2=10)、SCT(Scrub Cutting Team、人の手で持つ草刈機もしくはテンペストという機械(リモコンで遠隔操作の草刈機)で草を刈る、2×7=14)、HSTAMID(機械による地雷撤去、23×1=23)、Maxx+(機械による探査および開発を行なう部隊、3×1=3)の10種43チーム385名が分業体制をとっており、明確にその役割が分けられている。
つづく
【大根田康介】
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